【WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦 ○王者・寺地拳四朗 判定 同級1位・久田哲也● ( 2021年4月24日 エディオンアリーナ大阪 )】
【浜田剛史の目】寺地は久しぶりの試合で慎重になったところがあった。1回のポイントは久田につけたが、しっかりと相手の出方を見て、2回にはスムーズなワンツーのストレートでダウンを奪った。組み立てとしては悪くない。
3回以降はフルマークとしたが、普段よりも打たれていたことは気になった。ヒット&アウェーが寺地のボクシング。打った後に返される場面が再三あった。久田がもっと攻撃するポイントを絞っていればチャンスはあったはず。一緒にボクシングをすれば寺地が一枚上だろう。
結果としてワンサイドになったが、寺地には満足してほしくない。ファンあってのボクシング。KOを狙う姿勢を見せるとか、ファンがKOを期待するような状況をもっとつくらないといけない。打った後に返されたら、また打ち返すぐらいの気概があっていい。もちろん負けては意味はないが、内容も大事。そういうものが求められる立場であることを自覚し、防衛回数を重ねていくことに期待したい。(元WBC世界スーパーライト級王者)