【尚弥VSドネアを予想】尚弥が強烈ボディーで10回TKO勝ち

2022年06月05日 05:30

格闘技

【尚弥VSドネアを予想】尚弥が強烈ボディーで10回TKO勝ち
19年、ドネア(右)と対戦した井上 Photo By スポニチ
 【WBA・WBC・IBF世界バンタム級王座統一戦 ( 2022年6月7日    さいたまスーパーアリーナ )】 バンタム級の3団体王座統一戦は「井上尚弥VSドネア2」として海外でも注目されている。各国で年間最高試合に選出された19年11月の第1戦以来2年7カ月ぶりの再戦を本紙通信員の杉浦大介氏はどのように見ているのか。(1)初戦の分析(2)その後2年間の2人の成長・変化(3)再戦の予想、について意見を寄せた。
 【杉浦 大介=ニューヨーク在住スポーツライター、本紙通信員】

 (1)多分に漏れず井上の前半KO勝ちを予想していたが、ドネアのカウンターを当てるタイミングの良さ、耐久力、集中力には驚かされた。バンタム級史に残る激闘の中で、井上が初めて危うさを見せたと受け取るか、殿堂入りも確実の強敵を相手に適応能力を示したと見るか。9回は本当のピンチだったと思う。その一方で、10回以降に再び攻勢に転じて突き放したのは見事だった。だとすれば、おそらく両方が真実だったのだろう。真の意味でエリートレベルの攻防。12ラウンズの中にボクシングの魅力が詰まった戦いであり、リングサイドで見られたことを幸運と感じた、これまででも数少ない試合だった。

 (2)トップランクのあるスタッフは「マッチメーク面で井上ほどパンデミックによって不運な影響を受けた選手は他にいなかったかもしれない」と述べていた。実際、一度決まったカシメロとの統一戦が流れ、以降も外的要因ゆえに対戦相手の質を上げられなかったのはやはり残念。ボクシングに限らず、スポーツは対戦相手次第なので、ダスマリナス、ディパエンとの試合から成長度を測るのは難しい。

 一方、より高齢で、井上戦で多くのダメージを負ったドネアにとって、少し試合間隔が開いたことは悪くなかったのではないか。コロナ感染の不運はあったが、適度に休養し、2度のリング登場ではみずみずしさが感じられた。さすがに向上しているとまでは思わないが、30代後半まで高品質を維持しているのは驚くべきこと。もっとも、ウバーリ、ガバリョ戦のどちらとも、KOしたラウンド以外はある程度苦しんでいることは無視されるべきではないとは思う。

 (3)序盤はスリリングになりそうだが、前回より注意深く、的確に、井上が隙のない攻撃を見せ、中盤以降はドネアを袋小路に追い込んでいく。井上のボディーブローは第1戦よりも早い段階で重要な効果を発揮するだろう。スーパーバンタムから上の階級でも長いキャリアを誇るドネアはそれでも完全KO負けは拒否し、プライドは守るが、最終的にはダメージを考慮したコーナーがストップ。井上の10回TKO勝ちと見る。

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