1960年代にファイティング原田と激闘を繰り広げ、「ガロ・デ・オーロ(黄金のバンタム)」と称えられるボクシングの元世界2階級制覇王者エデル・ジョフレ氏が2日、肺炎による合併症のため出身地ブラジルのサンパウロ州で亡くなった。86歳。3月から入院していたという。
4歳でボクシングを始め、56年メルボルン五輪出場などアマ150戦148勝2敗。ガードを高く上げたスタイルから打ち抜く強打を武器にプロでも78戦72勝(50KO)2敗4分けの戦績を残した。60年11月に世界バンタム級王座を獲得してブラジル人初の世界王者になると、全てKOで8度の防衛に成功。65年5月に原田と死闘の末に1―2で判定負けし、66年5月の再戦も0―3で判定負けしたが、敗戦は原田戦の2度のみで今も「史上最高のバンタム級王者」に挙げる声は多い。
一度引退も69年に現役復帰し、73年5月にWBC世界フェザー級王座を獲得して2階級制覇を達成。76年の引退後はサンパウロ市議も務めた。20歳から菜食主義を貫き、92年には国際ボクシング殿堂入りした。
▼ファイティング原田氏 寂しいね。人間的に素晴らしい人だった。(世界王座を獲得した初戦は)忘れられない。最高の試合。またブラジルに行きたかった。最高の人だったから。(89年にブラジルで再会。昨年10月にはオンラインで対面)