寺地拳四朗が京口下し2団体統一王者 7回TKO、5回にもダウン奪う 夢の4団体王座統一への1歩
2022年11月01日 21:30
格闘技
「僕がゲームプレーヤーで加藤さんがコントローラーを握っている感じ。完璧な指示どおりに動いていれば勝てる」。練習相手が多い東京の三迫ジムを拠点にして以来コンビを組み、絶大の信頼を置く加藤健太トレーナーと京口対策を練ってきた。自分有利の距離感とポジションを常に意識し、打ち合いでも足を使っても戦えるように練習を積み重ねた。スパーリングでは3階級上のバンタム級の国内トップ選手を圧倒。父の寺地永BMBジム会長は「体でボクシングを覚えていた拳四朗が頭を使うようになってレベルが上がった」と加藤トレーナーに感謝し、同トレーナーも「なぜこの戦い方か、なぜこの動きをするのか、と自分から質問してくる回数が増えた」と成長を口にした。
2つの挫折を乗り越え、プロボクサーとして覚醒した。1つは7連続防衛中だった20年の“泥酔騒動”。周囲から離れていく人もいた中、昨年9月には矢吹正道(緑)にまさかのTKO負けで王座陥落。具志堅用高氏(元WBA世界ライトフライ級王者)の13連続防衛記録を更新する夢が消え、加藤トレーナーの「俺は続けたい。まだいける」との励ましにも応じられないほど心が完全に折れた。だが、敗戦を受け入れて再起。「挫折や負けることも人生には必要だと分かった」。才能を持て余していた男が、ボクシングに本気になった。
従来は2キロの水抜きを含む試合直前の3~4キロの減量に苦しんでいたが、酵素ファスティングを導入。本人も永会長も加藤トレーナーも「今まで一番」と声をそろえたコンディションで、連続防衛記録の消滅後に切り替えたターゲット、王座統一戦に臨んでいた。拳四朗が京口からWBAベルトと米リング誌認定ベルトを獲得し、次の目標はライトフライ級史上初となる3団体王座統一。「4団体統一をしたい」という新たな野望へ、拳四朗がさらに覚醒を続ける。
▼寺地拳四朗 ちょっとあせったっすね。これもいい勉強になりました。ひと言で言うと、ホンマに幸せ。これ(ベルト2本)を早く、僕は(トレーナーの)加藤さんにかけたくて。僕は加藤さんに強くならせてもらっている。信用して戦えて良かった。本当に強い相手で、途中ちょっとあせっちゃった部分もあったんですけど、加藤トレーナーの言う通り、もっと冷静に。普通にやったら、倒すというより、勝手に倒れる。それは自分でも言ってたけど、やっぱり試合になると、あせって忘れちゃうところがあるので。すごい勉強にもなる試合になって良かったです。打ち合いでも勝てる自信はあると最初から言ってたので。あとは加藤トレーナーの言う通り、動いただけという感じです。
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