井岡一翔が涙の世界王座返り咲き「必ず報われる」 判定3―0でフランコとの再戦に勝利
2023年06月24日 21:19
格闘技
フランコに対し、後ろに下がらずに打ち合った。上下の打ち分けを的確に行い、フランコの手数に対抗した。
21日に日本ボクシングコミッション(JBC)が昨年の大みそか、フランコとのWBA&WBO王座統一戦時のドーピング検査で井岡の尿検体から大麻成分が検出されたことを発表。一方のフランコも騒動に影響されたからか、23日の前日計量では前代未聞の2・9キロ超過で王座を剥奪されていた。
体重差はボクシングにおいて大きなハンデになる。思わぬ形で注目を浴びる一戦となったが井岡は雑音を打ち消し、覚悟を示すように序盤からパンチを繰り出した。「自分自身、ボクシングと真摯(しんし)に向きあってきた。そこに全くうそはなく、正々堂々と戦っている。必ず勝って正義が勝つことを証明しないといけない」。有言実行の勝利となった。
常に強さを追求してきた。試合前恒例の米ラスベガス合宿では「何かを変えないとメリット、デメリットを感じない」とフィジカル・ストレングストレーニングを導入。これまで米国ではスパーリングを中心に行ってきたが、瞬発系のトレーニングを新たに取り入れたことで「質の高い練習ができた」と手応えを口にしていた。
また、ここ数年は魚料理中心の食生活を送っていたが、今回の試合に向けて肉食を再開。「気持ちのエネルギーを力強く感じる。牛肉を食べることで闘争本能がみなぎるように感じる」と精神面での変化も明かしていた。
この勝利で、かねて熱望するWBC王者のフアンフランシスコ・エストラーダ(33=メキシコ)戦実現に一歩近づいた。「まずはベルトを取らないといけない。彼とやるには王座統一戦が最低条件。自分がチャンピオンという立場になって彼にオファーして認めてもらわないといけない」。階級最強の絶対王者を振り向かせるには十分の内容だったに違いない。
「負けたら引退とか、浅はかな気持ちではやっていない」とこれまで以上に進退を懸けて臨んだ一戦。これで日本人世界王者歴代最多を更新する21勝目となり、プロ戦績も30勝に到達。WBO王座を返上してまでこだわった再戦。相次いだ騒動の中、井岡が周囲を黙らせる快勝劇を見せた。
▼井岡 去年の大みそか、同じ場所、同じ対戦相手、みなさんが見た光景は、みなさんも覚えていると思いますが、僕が求めている結果じゃ、ありませんでした。でもあの日からあきらめずに、今日までいろんなことがありましたけど、いろんな方たちの支えのおかげで、今日またこうやってチャンピオンに返り咲くことができました。ありがとうございます。この瞬間を必ず見たかったですし、見せられるとみなさんにメッセージとして、未来の子供たちにこうして必ず報われる姿を見せたかったので。見せられて良かったです。自分を保てたのもみなさんのおかげです。フランコ選手、前回同様強かったです。拳交えて戦い抜いて満足しています。
おすすめテーマ
2023年06月24日のニュース
特集
格闘技のランキング
-
内藤大助氏 第2Rで井岡の強烈ボディーでフランコ後退も「何が効いたのかなって感じがしましたけど」
-
元日本ミニマム級王者・田中教仁がタイへ出発「全て奪って帰ってきます」 28日に自身3度目世界戦
-
井岡一翔世界戦のラウンドガール石田梨緒&上原沙弓理「お尻に注目して」衣装は白と黒の“パンダ柄”
-
井岡一翔の対戦相手 フランコが当日計量パス 前日大幅超過も試合は成立
-
武尊“世紀の一戦”の敗戦から1年…24日に復帰のリングへ!「この試合に勝たないとロッタン戦もない」
-
中止回避へ、不利な条件受け入れた井岡陣営 体重超過選手は減量のダメージ少なく有利も
-
井岡一翔 大麻検出問題に続き、また… フランコ体重超過で王座剥奪、勝てば王者に