井上尚弥 プロ初ダウンなんの!6回TKOで悪童ネリ退治! 34年ぶり東京Dで4万3000人熱狂
2024年05月07日 04:55
格闘技
「東京ドームで34年ぶり、そして日本人がメインイベント。凄いプレッシャーがあったが、皆さんの力が僕のパワーになった」
さすがのモンスターも会場の雰囲気にのまれかけた。1回、いきなり大振りの右フックを繰り出すと、力んだパンチは空を切った。「入場した時にドームの景色を見て舞い上がったというか、浮足立ってしまった」。カウンターのネリの左フックを浴びてまさかのプロ初ダウンを喫した。
「1ラウンド目のサプライズ、たまにはいかがでしょうか」とおどけて振り返りながら、ポイント狙いに切り替えた2回に左フックでダウンを奪い返すと、6回には連打から右ショートで3度目のダウンを奪って試合を終わらせた。「自分の中でも激闘という試合ができた。ダウンを喫したが一ついいキャリアを積めた」と安堵(あんど)の表情を見せた。
過去の悪行から国内無期限活動停止処分を受けていた“悪童”に、場内はブーイングに包まれた。井上尚自身もネリが体重超過しながら山中慎介を破った18年3月の試合は会場で見届けた。「自分が負けたら日本人がなめられる。負けられない戦い」。当時感じたやり場のない怒りをぶつけ、山中氏の無念を晴らした。
14年の初の世界王座奪取から10年。数々の偉業を成し遂げてきたが、3階級制覇した18年5月のマクドネル戦でも4000人の大田区総合体育館を埋めるのでやっとだった。ただそこからのWBSS優勝と、2階級での4団体王座統一。拳一つで自らの価値を高め、この日も東京ドームを満員にした。今や多くのボクサーの憧れとなり、追われる立場となった。「若い選手たちにとって自分がラスボスでありたい」。これからも大きな壁として立ちはだかる。
一度は周囲をひやりとさせたが、90年のタイソンの二の舞いは避けた。「皆さんが期待する最高の試合をする。今後も期待してほしい」。階級最強の挑戦者を倒しても、井上尚弥は道を切り開き続ける。
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