武居由樹 日本人100人目の世界王者!初のK-1と2冠 判定で涙の“親孝行”
2024年05月07日 04:33
格闘技
K―1仕込みでもある独特の距離感からの踏み込みが王者の強固なディフェンスを破壊した。2回にローブローで1点減点となったが、怖がることなく果敢に攻め立てた。序盤で流れをつくると焦る王者の反撃にも対処しフルラウンドを戦い抜いた。
この日は幼少の頃から師事するキックボクシングのジム「パワーオブドリーム」の古川誠一会長の56歳の誕生日だった。「いつもは服をプレゼントして文句言われるんですけど、今日は文句ありますか?おめでとうございます」と感謝の思いを伝えた。
22年6月、今回と同じ舞台で那須川天心と武尊の夢の対戦を観戦。「あそこに立てなかったのが悔しかった」と素直に喜べなかったが2年後、天心が見守る前で先にボクシング界の頂点に上り詰めた。井上尚が統一後返上したバンタム級主要4団体のベルトを日本人が占めた。キックボクシング育ちの異色の新王者は「今日の内容ではまだまだなので、また強くなって戻ってきたい」とさらなる進化を約束した。
◇武居 由樹(たけい・よしき)1996年(平8)7月12日生まれ、東京都足立区出身の27歳。10歳でキックボクシングを始め、14年11月にKrushでプロデビュー。16年6月に初代Krushバンタム級王座、17年4月にK―1ワールドGPスーパーバンタム級王座を獲得。キック通算25戦23勝(16KO)2敗。21年1月にボクシングのプロテストに合格し、3月のデビュー戦で1回TKO勝ち。22年8月に東洋太平洋スーパーバンタム級王座を獲得し、昨年11月に王座を返上した。1メートル70の左ボクサーファイター。
▼モロニー 残念な結果だ。武居はユニークなスタイルだったが、自分の戦略ミスもあった。結果を出せなかったので、武居選手の強さを認めるしかない。大きな舞台で試合ができたのは良かった。日本にはバンタム級の王者が4人いるので、また日本で試合ができるようにカムバックしたい。(2度目の防衛に失敗)
≪初の世界王者誕生から72年≫武居は日本ボクシングコミッション(JBC)が公認する日本ジム所属の100人目の世界王者となった。1952年5月19日に白井義男が世界フライ級王者のダド・マリノに15回判定勝ちし、日本人初の世界王座を獲得。05年4月16日にWBC世界バンタム級王座を奪取した長谷川穂積(千里馬神戸)が50人目。そこまで約53年を要したが、50~100人目までは19年。WBA、WBCに加えて、13年にWBO、IBFもJBC公認団体となったこともあり、近年はペースが上がっていた。
おすすめテーマ
2024年05月07日のニュース
特集
格闘技のランキング
-
井上尚弥 ネリ戦から一夜明け会見「歴史に残る一日になった」ネリの印象は「全て想定内」「楽しかった」
-
初防衛成功のユーリ阿久井「気合入ってます」 グレムリンの次は何?
-
井上尚弥 プロ初ダウンなんの!6回TKOで悪童ネリ退治! 34年ぶり東京Dで4万3000人熱狂
-
井上尚弥 悪童の次は豪州の無敗男 9月に18戦全勝グッドマンと対戦希望
-
悪童ネリがマットに沈んだ 初回に尚弥からダウン奪うも尻すぼみ…6回力尽く
-
尚弥と実現!大橋会長、悲願東京D興行 ジム開設30年の節目に“集大成”4大世界戦
-
井上尚弥が証明 軽量級の本場は日本!6階級全てに日本人君臨 米国でなくてもビッグマッチはできる
-
浜田剛史氏 井上尚弥、際立ったダウン後の冷静な対応
-
機熟してたどり着いた日本ボクシングの「到達点」 白井義男が後楽園で日本人初の世界王者から72年
-
井上拓真V2 兄弟同時勝利も「収穫は冷静さだけ」客席に頭を下げ
-
武居由樹 日本人100人目の世界王者!初のK-1と2冠 判定で涙の“親孝行”
-
“地方ボクサーの星”ユーリ 判定で初防衛&初東京Dで勝利「ホッとしている」