井上拓真V2 兄弟同時勝利も「収穫は冷静さだけ」客席に頭を下げ
2024年05月07日 04:44
格闘技
初回、石田の顔面に左を当てた直後、カウンターの左ジャブを顎にもらって、膝から落ちた。WBC世界バンタム級暫定王者として正規王者ウバーリ(フランス)と戦った19年11月の統一戦でプロ初のダウンを喫して以来、2度目の屈辱だった。
2回から切り替えて前に出た。身長で9センチ、リーチで14センチ劣る中、ジャブを突いてから石田の懐に飛び込んで、右アッパーなどでペースを握った。終わってみれば、ダウンを喫した1回以外はほぼ全てポイントを奪った。
兄弟同時の世界戦はウバーリ戦以来約5年ぶり。前回は4回のダウン後に立て直せず初黒星となったが、今回は初めてそろって勝利した。国内で群雄割拠のバンタム級の主役になるために「統一戦に向けて防衛をしていきたい」と前を向いた。
≪大差判定●も石田まだ闘志≫プロ38戦目の石田は7年ぶり2度目の世界挑戦も実らなかった。初回、相手ジャブの打ち終わりに放った得意の左ジャブが顎を捉え、いきなりダウンを奪う。「感触、タイミングも良かった。これで、乗っていけると思った」。しかし見せ場は続かず、大差の判定負け。「チャンピオンが想像以上にうまかった」と脱帽した。それでも32歳の闘志は衰えていない。「正直、諦める気持ちはない。体も気持ちも動きますから」。小6から井岡ジムで競技を始め、井岡一翔(現・志成)の背中を追い続けた。まだまだ、追う。
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