尚弥のドヘニー戦決定に WBA指名挑戦者アフマダリエフのプロモーターが落胆 12月の対戦目指す

2024年07月16日 19:59

格闘技

尚弥のドヘニー戦決定に WBA指名挑戦者アフマダリエフのプロモーターが落胆 12月の対戦目指す
<井上尚弥会見>会見後、報道陣の質問に答える井上尚弥(撮影・沢田 明徳) Photo By スポニチ
 ボクシングの大橋ジムは16日、都内のホテルで会見を開き、4団体統一世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥(31=大橋、27勝24KO)が9月3日、東京・有明アリーナで元IBF同級王者テレンス・ジョン(TJ)・ドヘニー(37=アイルランド、26勝20KO4敗)と防衛戦を行うと発表した。一方でWBA指名挑戦者ムロジョン(MJ)・アフマダリエフ(ウズベキスタン)のプロモーターで、英興行大手マッチルーム社のエディー・ハーン代表は落胆の色をあらわにした。(取材・杉浦 大介通信員)
 ――WBA世界スーパーバンタム級の指名挑戦者MJ・アフマダリエフのために今後、どんなプランを考えているのか。

 「井上尚弥は素晴らしい王者であり、マネージャーの大橋、プロモーターのミスター本田も立派な人物だ。彼らのことは個人的には好きだが、ただ井上がTJ・ドヘニーを挑戦者に選んだことにはがっかりさせられた。ボクシングファンも落胆しているのではないか。ドヘニーが世界王者だった5年前に彼の試合をプロモートしたことがあるから、いい選手であることもわかっている。ただ、井上はパウンド・フォー・パウンドでもNo.1 かもしれない王者だ。スーパーバンタム級で残された唯一の好マッチアップはMJ(・アフマダリエフ)との対戦だ。アフマダリエフ戦でも井上が断然優位と目されるだろうが、それでもWBAの指名試合であり、すでに対戦指令も出ている。日本の大興行は毎回、素晴らしい雰囲気になり、そこで試合をするのによりふさわしかったのはMJの方だったというのが私の意見だ」

 ――もう1人の指名挑戦者サム・グッドマンは最新試合で手を骨折した。

 「グッドマンには敬意を払ってはいるが、彼も井上の挑戦者としては十分ではないと考えている。グッドマンにしろ、ドヘニーにしろ、彼らがいいボクサーではないなどと失礼なことを言いたいわけではない。彼らでは差があると考えるほど、井上がすごい選手だということだ。井上はアフマダリエフに勝ったマーロン・タパレスをすでに倒したという人もいるが、タパレス戦でのアフマダリエフは故障を負っていたし、それでも実際には勝っていたように思えた。いずれにしても、この階級で井上にタフな試合を強いるのはアフマダリエフだけだというのが私の考えだ」

 ――井上が9月にドヘニーと対戦するとすれば、12月の挑戦を目指すのがアフマダリエフのプランになるのか。

 「今後もその試合の挙行を呼びかけていきたい。そうやって言葉に出し続けることによって、対戦が実現した時にはより大きな試合になると思う」

 ――試合会場は日本、サウジアラビアのどこでもいいのか。

 「どこでも構わない。彼らが望まなかった理由の1つは、興行権入札を好まなかったことだろう。私だってできれば入札はしたくない。場所、条件などは自分で選定したい。入札に持ち込まれたら、サウジアラビア、日本、アメリカと開催地も様々な可能性が出てくる。それは選手にはいい状況だが、興行する側のビジネス面では好ましくない。アフマダリエフ戦が入札になったら、井上はタイトル返上するのかもしれない。ともあれ、私たちは12月に向けて盛り上げていけることを望んでいる」

 ――井上とアフマダリエフが実際に対戦したらどんな戦いになると思うか。

 「いい内容の試合になる。MJはタフで強い。パンチもあって、技術もある。それでもアフマダリエフがアンダードッグであることは理解している。私はここでMJなら井上に勝てると言いたいわけではない。繰り返すが、それこそが最も上質な試合だと言いたいだけだ。ネリ戦でも井上はダウンを喫したが、“バム”・ロドリゲスだってダウンしたし、大きな問題ではない。井上は素晴らしい選手だし、MJとの対戦でもいい試合をしてくれるのだろう」

 ――12月の挙行を目指すなら、アフマダリエフもその前に一戦を挟むのか。

 「MJもまた9月の調整試合を視野に入れるだろう」

 ――今月15日にはミドル級8人制トーナメント「PRIZE FIGHTER(プライズファイター)」が開幕した。次のラウンドも年内に日本で挙行予定なのか。

 「間違いない。11、12月になると思うが、楽天チケット次第でもある」

 ――今後、日本でも定期的に興行を打っていきたいのか。

 「今回の企業は日本の会社がパートナーであり、彼らは準決勝、決勝も日本開催を望んでいる。その興行ではアンダーカードに世界戦を組み込みたいと願っている。準々決勝は4戦だが、準決勝は2戦、決勝は1戦だけだから、日本人選手が出場する他のタイトル戦も同時に行えることが望ましい」

 ――最後になるが、ファンフランシスコ・エストラダに勝ったばかりのジェシー・“バム”・ロドリゲスの今後は。

 「エストラダは再戦条項を持っているから、まずは彼次第だ。条項を行使するのかどうか、話さないといけない。それと同時に私たちはフェルナンド・マルティネスとの統一戦にも目をやっている。次戦はエストラーダとの再戦か、マルティネスとの3冠戦のどちらかになる」

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