KAT―TUN亀梨和也 感情を表す「表情」の演技 38歳、積み重ねた経験武器に
2024年04月21日 08:40
芸能
そんな目と唇は演技の上でも生きている。現在、テレビ朝日ドラマ「Destiny」(火曜後9・00)に、主人公の初恋相手役で出演中。芝居で常に意識しているのは「顔のパーツの細やかな動き」。表情筋の使い方やまばたきのタイミングまで、全てをコントロールして役に落とし込む。「共演者とかに“そんなところを気にして演技してるの?”って言われるんですけど」と話すが、繊細な所作の一つ一つが役の深みにつながっている。
例えば今作の第1話。主人公に重要な言葉だけが届かないシーンで唇がアップに。無音の中で口が動くが、一瞬だけ言いよどむようなしぐさを見せる。第2話の父親と対峙(たいじ)する場面では、投げられた言葉を受け下まぶたがピクッと反応。「今回に限らずですが、心情の表現を表情で求められることがとても多い」。感情が表情に出ることで臨場感がさらに増す。役者として積み重ねてきた経験が、一つの武器となって実を結んでいる。
役者のキャリアは2006年に「Real Face」でCDデビューしたKAT―TUNよりも長く、1999年にTBSドラマ「3年B組金八先生 第5シリーズ」で俳優デビュー。以降日本テレビ「野ブタ。をプロデュース」(05年)など、学園の人気者役で話題に。当時は「地に足のついてないファンタジーな役柄が多かった」といい、それが世間のイメージとして浸透したと振り返る。
一方、近年は映画「事故物件 恐い間取り」(20年)で売れないお笑い芸人、映画「怪物の木こり」(23年)でサイコパス役を熱演。1月から放送されたフジテレビ「大奥」では時代劇に初挑戦した。「どんな役でもバシッと決める」をモットーに、キラキラしたイメージとは真逆の役でも存在感を発揮してきた。
10代から第一線に立ち続け、38歳になった。「顔に少ししわとか、重力を感じるようになりましたけど…、年齢にあらがわずに自然体でいたい」とニコリ。だからこそ、年相応の顔で演技することを楽しんでいる。
もちろん、アイドルとの二刀流は健在。役作りで体重を増量した時にはファンから「太った?」と言われることもあり、両立する上でジレンマやもどかしさを感じることもある。「その辺のバランスは難しかったりしますが、アイドルとしても役者としても作品はずっと残るもの。全力で向き合っています」と語った。
これからも演技で、そして歌で人々の心を揺らしていく。「アイドルの定義は分かりませんが歌い続けたいし、撮影が始まる作品もある。見てくださる方たちに届けたい」。さらに年齢を重ね、口元や目尻に深いしわができる時が来るかもしれない。それもまた味として、新たな作品につながっていくだろう。
<テレ朝「Destiny」 初共演「石原プロ」に感銘>
○…「Destiny」は石原さとみ(37)主演のサスペンスラブストーリー。亀梨は初共演の石原のことを「石原プロ」と呼んでいたという。どんな時でも常に演じる役のベストを出すために、柔軟に演技を模索する姿に感銘を受けたという。撮影の思い出としては、石原と亀梨を含む大学の仲間とのシーン。「女性陣がエネルギッシュで、とても頼りになりました」と振り返った。
◇亀梨 和也(かめなし・かずや)1986年(昭61)2月23日生まれ、東京都出身の38歳。98年、旧ジャニーズ事務所に入所。06年にKAT―TUNとしてシングル「Real Face」など3作同時発売でデビュー。19年に「Rain」でソロデビュー。昨年にYouTubeチャンネルを開設。血液型B。