世界基準の映画作り「K2 Pictures」本格始動 紀伊宗之氏が立ち上げ 最強監督陣も参加

2024年05月10日 07:00

芸能

世界基準の映画作り「K2 Pictures」本格始動 紀伊宗之氏が立ち上げ 最強監督陣も参加
K2 Picturesとともに映画製作を進めるクリエーターたち(左から岩井俊二、是枝裕和、白石和彌、西川美和、MAPPA、三池崇史の各監督) Photo By 提供写真
 東映在籍中に「孤狼の血」シリーズや「シン・仮面ライダー」など、数多くのヒット作、話題作をプロデューサーとして世に放った紀伊宗之氏(54)が立ち上げた「株式会社K2 Pictures」(本社・東京都目黒区)が10日、本格始動を宣言した。
 昨年8月1日に事業スタートを発表した同社が掲げる目標は「日本映画の新しい生態系をつくる」こと。そのために投資家やクリエーターとタッグ、スクラムを組んで世界基準の映画作りを目指す。

 具体的には日本発の映画製作ファンド「K2P Film Fund 1(ケーツーピー フィルム ファンド ファースト)」を設立し、新たな国内外投資家の日本映画産業への参入、クリエイターへの利益還元を推し進めるという。

 こうしたビジョンに賛同し、ともに歩み始めるクリエーターたちも発表された。岩井俊二(61)、是枝裕和(61)、白石和彌(49)、西川美和(49)、三池崇史(63)といったそうそうたる監督陣、さらには「呪術廻戦」や「チェンソーマン」など海外でも人気の高いアニメーションを制作してきた株式会社MAPPAも加わる。

 ◇「Love Letter」「スワロウテイル」「キリエのうた」などで知られる岩井監督は

 「紀伊宗之のやりたいことなら絶対に応援したい。それがこのプロジェクトに参加した僕の純粋なる動機だ。10年後、どんなチームに成長しているだろう。とにかく今から何もかもが待ち遠しくて仕方がない」

 ◇2018年「万引き家族」でカンヌ国際映画祭の最高賞パルムドールを獲得し、今年5月のカンヌ映画祭ではコンペティション部門の審査員を務める是枝監督は

 「このチャレンジが成功して、映画界に良い風が吹き、新しい才能にチャンスが開かれる。そんな未来を実現しようとしている心意気に共感して、仲間に加えて頂きました。共闘を楽しみにしています」

 ◇5月17日に日本公開を迎える最新作「碁盤斬り」がイタリアで開催されたウディネ・ファーイースト映画祭で批評家によって選出されるブラック・ドラゴン賞を受賞した白石監督は

 「今までの日本映画では実現不可能だった企画や、突出したユニークな才能が生まれることを期待しています。私も並走して世界を驚かせる映画を作りたい」

 ◇2006年「ゆれる」がカンヌ映画祭の監督週間で正式上映され、その後も精力的に製作を続ける西川監督は

 「ある意味、K2 Picturesのファンドや新しい配給の仕組みは、危険な冒険にも思えます。実際、一筋縄ではいかないこともあるでしょう。でもそれが映画作りだし、どうせ映画を作るなら私は冒険をするチームと組みたい。それがこれから先に日本で映画を作っていく人たちの、新しい活路になっていく可能性があるならば尚更です」

 ◇「藁の楯」や「初恋」など監督作がカンヌ映画祭はじめ多くの海外の映画祭に招待されている三池監督は

 「『もっと面白い映画を創って、もっと幸せになろうよ』紀伊さんの笑顔に、そんなシンプルなメッセージを感じる。だから私は『K2 Pictures』を信じている」

 趣旨に賛同した監督たちのメッセージだ。

 さらに同社は映画製作、配給及びコンサルティングを含む全てのエンタテインメント関連事業を行う「アイアトン・エンタテイメント」と、新たな企画開発において業務提携を締結したことも明らかにした。代表を務めるウィリアム・アイアトン氏はワーナーエンターテイメント ジャパン(現ワーナーブラザースジャパン合同会社)CEOとして、「るろうに剣心」3部作や「最後の忠臣蔵」「許されざる者」などの大ヒット作の製作を主導してきた実力者だ。

 紀伊氏は5月18日(現地時間)に映画祭開催中の南仏カンヌで会見を開き、世界に向けてプレゼンテーションを実施。三池監督と西川監督も参加する。さらには大型新人の監督デビューも発表する予定だ。

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