【スプリンターズS】本命不在で“大荒れ警報”ブリザード狙う
2017年09月27日 05:30
競馬
【酷似】状況が似ていた10年を振り返る。1番人気は香港馬グリーンバーディーで3・2倍。日本馬に確固たる軸馬が不在だった証拠だ。2番人気に押し出されたのが、夏に北海道で重賞を連勝してきた牝馬ワンカラットで4・9倍。同年春の高松宮記念を4連勝で制したキンシャサノキセキは、前哨戦のセントウルSを疝痛(せんつう)で取り消したことが嫌われ、5・6倍の3番人気に甘んじた。結果はG1実績に乏しく、1番人気の陰に隠れた存在だった、もう一頭の香港馬ウルトラファンタジーの激走Vだった。
【情勢】今年はどうか。高松宮記念の覇者セイウンコウセイは、函館SS4着で高速決着への不安を露呈。ビッグアーサーは爪を痛め、セントウルSを回避しての臨戦。昨年Vレッドファルクスは4カ月ぶりと、タイトルホルダーに死角ありの状況。4連勝中の牝馬ダイアナヘイローなど、上がり馬が上位人気に食い込んでくるのは確実な情勢だ。
本命候補が十指に余る中、ひっそりと来日した香港馬ブリザードがにおう。G1での実績がなく軽視されているのはウルトラと一緒で、厩舎も同じイウ厩舎。優勝経験のあるトレーナーが、中山に適性ありと見込んでの来日なら…。
香港馬のJRA・G1制覇は過去に5頭。自身が2・0倍の1番人気だった世界的名馬サイレントウィットネス以外は、1番人気が3倍以上という混戦ムードの中、短距離王国の底力を発揮した形だ。
【照準】G1タイトルこそないが、ハイレベルな香港短距離界で善戦を繰り返し、昨季の香港年度代表馬ラッパードラゴンを下した実績もあるブリザード。香港での漢字表記は「有得威」。日本馬のオッズが割れるほど、買っておいて損はない魅惑の穴馬だ。