【凱旋門賞】(9)サトノダイヤモンド悲願Vへ「息遣い良化」
2017年10月01日 05:30
競馬
サトノダイヤモンドの最終調整は走り慣れたリヨンの坂路コースへ。僚馬サトノノブレスと共に2本駆け上がった。池江師は「水曜の追い切りで負荷をかけたこともあるし、前走より動き、息遣いは良くなっている」と感触を口にする。
前哨戦のフォワ賞(4着)はまさかの惨敗。ただ、力を出し切っていないのは明らか。池江師は「前走は調教の時から息の入りが良くなくて、レース後も良くなかった」と明かした。レース翌日には内視鏡検査で症状を診断するなど本番が心配される事態もあった。幸いにも「重篤ではなく矯正馬具で対処したら効果はあった。DDSP(軟口蓋の背方変位)の初期段階で治まったし息遣いも良くなった」と大事には至らず、世界最高峰へのチャレンジはかなえられた。
金曜午後には、2頭を所有する里見治オーナーが滞在先の小林厩舎を激励に訪れた。指揮官は「オーナーには状態を伝えた。前走はまだ仕上がり途上だったけど、使ったことで状態はいいころに近づいているかな」と上昇ぶりを明かす。
状態、枠順、馬場…。凱旋門賞ウイークに突入して次々と不安要素が挙がり、陣営の表情もさえなかった。確かに調教の動きを見る限り、ベストなコンディションとは言えないかもしれない。それでも、日本のトップホース。世界に通用するレベルにはある。「たくさんのファンに注目していただいているし、期待に応えられるように頑張りたい」と口を結んだ池江師。
1969年、スピードシンボリとミスター競馬・野平祐二から始まった挑戦。日本ホースマンの悲願に向かって、ダイヤモンドが最高の輝きを放つ時が刻一刻と迫っている。