【阪神JF】ラッキー無敗女王、父オルフェに初年度G1贈った
2017年12月11日 05:30
競馬
「本当にうれしい。前回は少し力んでいたので、返し馬から気を付けていたがスッと落ち着いてくれた。目標も前にいたので、いいところにハマってくれた」
同じオルフェーヴル産駒で1番人気のロックディスタウンは、スタートして200メートルすぎからポジションを上げた。逃げたラスエモーショネスのペースは遅かったが、石橋は慌てずジッと我慢。3〜4角でジワッと進出を開始、直線は左ステッキ連打で前にいたリリーノーブルに競り勝った。
「手応えは素晴らしかったし、合図を送れば前走以上の脚を使ってくれると思っていた。反応のいい馬だけど抜群の反応でしたね」
鞍上にとっては12年天皇賞・春(ビートブラック)以来のG1勝利。「長かったですね。大きなチャンスもあったが、未熟で取り逃がしたことも。また勝ちたいと思ってやってきて、良かったです」と、うれしさを隠し切れない。
その天皇賞は断然人気だったオルフェーヴルを負かす大金星。その初年度産駒となる娘で見事タイトルをつかんだ。「オルフェの子でやんちゃかなと思ったが、初めて乗った時から落ち着いていた」と振り返る。
ジョッキー時代に“牝馬の幹夫”と呼ばれた松永幹師にとっては、09年秋華賞(レッドディザイア)以来の平地G1V。指揮官も「オンとオフがハッキリしていて、扱いやすい馬。今日もパドックでも、いつも通り歩けていた」と、気性の激しかった父とは真逆の優等生ぶりに目を細めた。競馬界の“イケメン・コンビ”による鮮やかなG1制覇。先輩から「男前だね。しっかり追ってくれるし、頼もしい」と後輩ジョッキーにお墨付きを与えた。
無傷の3連勝で2歳牝馬の“センター”に立った。馬名は5弁の花びらを付けたライラック(通常4弁)のことで、幸運のシンボルとされる。4カ月後には同じ舞台で、牝馬クラシックが開幕。指揮官は「春は桜花賞を目指すことになるが、距離が延びていいと思う。来年が楽しみ」と期待を寄せた。桜の下、再び“満開”の走りを見せつける。
◆ラッキーライラック 父オルフェーヴル 母ライラックスアンドレース(母の父フラワーアレイ)牝2歳 栗東・松永幹厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績3戦3勝 総獲得賞金1億282万円。
◆石橋 脩(いしばし・しゅう)1984年(昭59)4月3日、東京都生まれの33歳。03年3月1日に中山でデビュー(1Rマグナヴィーナス2着)。初勝利は同29日の中京8R(エーピーダイモンジ)。15年目の今年、初めて年間50勝を突破。JRA通算9454戦557勝(10日現在)重賞は通算12勝目、G1は12年天皇賞・春(ビートブラック)に次いで2勝目。