騎手の夢断たれ、馬主としてクロコスミアでG1制覇を狙う大塚亮一氏

2018年03月30日 15:33

競馬

騎手の夢断たれ、馬主としてクロコスミアでG1制覇を狙う大塚亮一氏
メイダン競馬場の馬房に収まるクロコスミアと大塚氏(大塚氏提供) Photo By 提供写真
 四半世紀前の悲願に手をかけている。ドバイターフにエントリーしているクロコスミアの大塚亮一オーナー(43)は、高校時代にJRAの競馬学校騎手課程を受けた経験あり。ジョッキーとしてG1を勝つという夢は敗れたが、立場をオーナーに変えて、G1初制覇を狙う。レース4日前には早々と現地入り。大一番へ胸を高鳴らせている。
 26年前に悔し涙を流した青年が、立場を変えて夢をかなえようとしている。クロコスミアを所有する大塚亮一氏は、高校3年だった92年にJRAの競馬学校騎手課程を受けた。合格していれば福永や和田と同じ“花の12期生”だった。

 「親と『試験を受けるのは1回だけ』と約束していました。受かる、と思っていたので、ショックでしたね。騎手になる夢は断たれましたけど“いつかは馬主になってG1を勝つ”と目標を立てたんです。馬に乗るのは大好きで、今でも北海道の育成牧場では自分の馬の調教を、軽くですけどつけることがあるんです」

 08年にJRAの馬主免許を取得した。翌年にはクラブ法人で初めて出資したアンライバルドが皐月賞を制覇。そして節目となる馬主10年目を迎えた昨年、府中牝馬Sをクロコスミアが制し、個人馬主として念願だった重賞タイトルを手にした。この孝行娘との出会いは偶然だった。

 「友人の高樽オーナー(ディアレストクラブ代表)の牧場に遊びに行った時、2歳馬が調教しているのを何げなく見ていると“1頭だけ輝いている馬”がいたんです。それがクロコスミアでした。どうしても欲しいと思い、高樽さんの馬として走る予定のところを、無理を言って譲っていただきました」

 馬主としてはG1未勝利で、海外遠征も初めてとなるが、実はドバイターフを“勝った”ことがある。

 「リアルスティールの一口会員なんです。2年前は現地で観戦しましたし、口取りにも入れていただきました。その時の写真は家に飾ってます。だから、今回は2頭出しの気持ち。ヴィブロスの大魔神さん(佐々木主浩オーナー)にも親しくしていただいていて、どの馬が勝ってもうれしいですが、できれば今回は“譲って”ほしいですね」

 昔ながらの馬主のイメージはなく、熱烈な競馬ファンが馬主になった、という表現がしっくりくる。レース4日前には早々とドバイ入り。当日は母親や友人とともに、孝行娘の走りを目に焼き付ける。

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