浅見師が福永に敬意を表すように「お、ダービージョッキー」と声を掛けている。“ここも頼むぞ”と言わんばかりだ。サングレーザーにとって一番の追い風は、平成最後のダービーに悲願を実らせた福永の存在だろう。
日曜に坂路4F51秒8のタイムを叩き出しているサングレーザーは、この日、福永を背に馬なりで同57秒6の軽い登坂。「いい動き。バッチリ。前走より良くなっている感じ」との言葉は闘志の充満ぶりを指したものであり脚さばきの重厚感だ。調教を終え、すれ違った浅見助手にも福永はサムアップのポーズを示して良さを伝えた。重賞2勝目を挙げたマイラーズCより状態アップだと言うのだから、G1タイトルが現実味を帯びてくる。
浅見師の本心をのぞくのは容易ではないが「勝負は最後まで分からんよ。ゴール前が勝負や」と発した。自慢の末脚をサク裂させてマイル王者に君臨する。