圧逃!圧冠!アイネスフウジン、東京競馬場19万6517人が中野コール
2020年05月28日 06:00
競馬
ナーカーノー!
ナーカーノー!
それまで聞いたことがない
合唱のような掛け声が
東京競馬場にこだました。
37歳にして日本ダービーを
初めて制した中野栄治が
スタンド前に引き揚げてくると
期せずして
19万を超える大観衆から
「中野コール」が湧き上がった。
当時22歳の横山典弘が騎乗する
皐月賞3着馬
メジロライアンが1番人気。
21歳武豊の皐月賞馬
ハクタイセイが2番人気。
皐月賞2着馬
アイネスフウジンは3番人気。
この3頭が3強と呼ばれた。
アイネスフウジンは
皐月賞で得意の逃げに持ち込めず
2着に敗れていた。
中野は腹を決めていた。
12番枠から
スピードを生かしハナに立つと
一度も先頭を譲らず
2400メートルを逃げ切った。
2分25秒3の勝ち時計は
従来のレースレコードを
1秒も短縮した。
当日の東京競馬場の
入場者数は
19万6517人。
ダービーにおける
1レースの売り上げ
397億3151万3500円。
いずれも当時の記録を更新した。
バブル景気の絶頂で
競馬が最も沸騰した瞬間だった。
≪90年代がピーク≫中央競馬の売り上げは1990年代がピークだった。90年ダービー後も毎年のように売り上げレコードを更新。ナリタブライアンが勝った94年の567億8629万400円が、ダービー1レースの最高売り上げ記録だ。ちなみに1レースあたりのJRA最高売り上げ記録は、サクラローレルが勝った96年有馬記念の875億104万2400円。90年に19万6517人もの大観衆をのみ込んだ東京競馬場も、今年は無観客での開催。いまやベテランとなった武豊、横山典弘の両ジョッキーは、対照的なダービーの舞台に立つ。