【小倉記念】長岡騎乗アールスター 連覇で脚光再び「もう1回この馬の力見せたい」
2021年08月13日 05:30
競馬
「去年はチャンスを頂いて勝たせてもらった重賞。僕自身の大きな節目になりました。アールスターは栗東に来たかいがあった、と思わせてくれた馬。もう1回この馬の力を見せたい。もうひとつ勝たせてやりたいと思います」
和歌山出身ながら関東所属を決意するが芽が出ず、17年には落馬事故もあり乗り鞍は激減。新天地に選んだのが栗東だった。杉山晴厩舎のアールスターへの騎乗は普段の調教を手伝うなど、信頼関係のたまもの。自ら運をたぐり寄せた重賞初勝利だった。
昨年は14頭立て10番人気での大駆け。今年も凡走続きで評価は急落している。だが、それも“前振り”に思えるほど陣営の感触はいい。今回変わり身を期す、ひとつの武器がブリンカーだ。これはジョッキーの進言による。最終追いで感触をつかんだ。
「いい方向に向いていると感じました。ブリンカーで集中力が増せば馬場が多少悪くても対応できるんじゃないかと」
昨年の小倉記念から7戦連続でコンビを組んできた。オーナーと調教師の理解があってこそだろう。上位騎手に“さらわれても”何ら不思議はない。期待には結果で応えるしかない。
「前走(七夕賞11着)はキックバック(蹴り上げた砂や芝が後方に飛ぶこと)が凄くて気持ちが前向きになれなかった。集中力や気持ちが抜けやすい馬なのでブリンカーがいい方に向いてくれたら。コーナー4つの小倉記念はこの馬に合いますから」
フロックとは呼ばせない。問答無用の走りでアールスターと「長岡」の存在を知らしめる。まだ27歳。切り開く未来は無限にある。
◇長岡 禎仁(ながおか・よしひと)1993年(平5)9月25日生まれ、和歌山県出身の27歳。栗東・高橋亮厩舎所属。12年美浦の小島茂厩舎からデビュー。同年12月9日に中京で初勝利。17年12月からフリー。19年5月から栗東に移籍。JRA通算2222戦68勝。昨年の小倉記念で重賞初制覇。1メートル66、47キロ。血液型B。