芝の重さ、馬のおとなしさ…仏で成長する大野

2022年06月10日 05:30

競馬

芝の重さ、馬のおとなしさ…仏で成長する大野
大野拓弥(撮影・千葉茂) Photo By スポニチ
 【競馬人生劇場・平松さとし】
 現地時間6月7日、フランスに入ったのは大野拓弥騎手(35)。

 「香港で乗ったことはある(14年、スノードラゴンでG1・香港スプリントを8着)けど、ヨーロッパは初めてです」

 今回の遠征のためにパスポートを取り直して、かの地に入った。

 彼から「海外の競馬に挑戦してみたい」と最初に相談を受けたのは1年近く前。当初は英国を予定しており、当方の知り合いの調教師と連絡を取るなどして話を進めていた。しかし、コロナ禍ということもありなかなか進展せず。そうこうするうち比較的ビザの取得も容易なフランスに目標を変えた。そしてこの6月になってからようやく彼の夢が具現化。冒頭で記したように7日、花の都に降り立った。

 “花の都”といっても正確にはパリから車で小一時間ほどかかる場所。馬の街として有名なシャンティイに現在は滞在している。到着翌朝には早くも1頭の現地馬の調教にまたがった。

 「芝が重くて驚きました。あと、馬のおとなしさにも感心しました」

 この日、彼が調教で騎乗したのはクワラフォレという調教場。調教馬場が点在するシャンティイの中でも低地にあるせいか、最も含水量が多い、つまり重い馬場で知られるコース。しかもこの日は雨だったため、いつも以上に馬の脚に絡みつく状態になっていたのだから、大野騎手が驚くのも当然だったのだろう。

 また、馬のおとなしさに関しては次のように続けた。

 「聞いてはいたけど実際に触れてみて納得しました。自然に囲まれた環境のせいか、扱う人のせいか分かりませんが、本当におとなしいですね」

 百聞は一見にしかずというが、実際、どれだけ話を聞くよりもこうやって一度でも自ら体験することで、勉強になることは多いだろう。中堅騎手でありながら自ら厳しい環境に身を置く姿勢には感心させられる。「8月いっぱいは帰国せずに頑張ってみます」と語る彼の成長を見るため、もう1、2回は様子を見に来たいと思ったものだ。 (フリーライター)

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