【CBC賞】ルーキー・今村聖奈 女性騎手初の重賞初騎乗V&平地の芝重賞V「人馬一体になれた」
2022年07月04日 05:24
競馬
引き揚げてきた今村は右手で小さくガッツポーズ。出迎えた厩舎関係者と喜びを分かち合った。「うれしいです。場内のモニターを見た時にセーフティー(リード)だった。しっかり追うことと、逃げ切る気持ち良さをしみじみ感じながら馬と人馬一体になれたのではないかと思います」
3月にデビューしたばかりで、これが重賞初騎乗。それでも18歳ルーキーに緊張はなかった。「冷静でしたね。走るのは馬だし、重賞だからといって私が気負っても馬にプレッシャーをかけるだけなので。同じ精神面で私は馬と向き合えました」。自然体でつかんだ勝利。女性騎手のJRA平地芝重賞制覇は史上初の快挙になった。
小倉は幼い頃から、ジョッキーだった父・康成氏(現在は調教助手)の滞在時に何度も訪れた思い出の場所。競馬場のウイナーズサークルでは引き揚げてくるジョッキーの姿に憧れた。その場所にジョッキーとなって戻ってきた今村。大好きな小倉のお立ち台でインタビューを受け、詰めかけたファンに感謝した。
「ジョッキーが勝ったら私自身が拍手している立場だったので、お客さんに喜んでいただけるのはうれしい。デビューした時から夢と希望と感動を与えられるレースを贈りたいと思っていたので、少しでも提供できたなら光栄です」
ハキハキとした、大人びた口調はルーキーとは思えない。それでもインタビューが終わると「これって夢じゃないですよね」と何度も口にした。続く最終レースも勝って通算19勝とし、夏の小倉開幕週に強烈なインパクトを残した大物ルーキー。この先も、たくさんの夢と希望と感動を与えてくれるに違いない。