【有馬記念】池江師 15年連続参戦の経験がボッケリーニに宿る
2022年12月21日 05:30
競馬
09年のドリームジャーニーで早くも初勝利を手にすると、11年にオルフェーヴルが3歳で戴冠。同馬の引退レースも有馬記念(13年)で圧勝ゴールが記憶に鮮烈に残る。直近の勝利は16年サトノダイヤモンド。その後も出走馬を絶やすことはなかった。
歴代最多となる4勝は決して偶然の産物ではない。勝つノウハウを知っているからこそ。10番人気で2着したオーシャンブルー(12年)や9番人気でこれも2着に食い込んだトゥザワールド(14年)のような大駆けも目につく。ゴールだけではなく高配当の“アシスト”もあるのだ。
そこで今年のボッケリーニ。担当がかつてオルフェーヴルを手掛けた森沢助手であることからも激走を期待しないわけにはいかない。前走のジャパンCは17着に敗れたが、担当者は静かに反攻に燃えていた。
「前走は枠(大外18番)…かとも思いますが、それも競馬。しょうがない。幸いダメージもなかったんで、体も十分戻っています。ジャパンCは決して状態が悪かったわけじゃない。その状態をキープしてここまで来ていますから」
先行してしぶとさを生かす競馬が身上ゆえ、今回も枠順が鍵。いや全て。内枠なら激変も可能だ。森沢助手は続ける。
「日経賞でも(タイトルホルダーの)2着に来ている。あの時はいかにも休み明けの感じだったが、思った以上にいい走りをしてくれましたから。(中山2500メートルの)コースはいいと思います」
今年は年明けのAJC杯3着から日経賞2着、目黒記念1着、京都大賞典2着まで手堅くまとめた。一連の内容なら反攻あって当然。暮れの大一番に向け、チーム池江のキャリア、ノウハウが全て注ぎ込まれている。厩舎の過去4勝は全て人気馬だが、今年はジャイアントキリングで締めくくるか。穴党が「ブラボー!!」と絶叫する歓喜のクリスマスが待っている。
《クリスマス吉兆!直近2回両方V》有馬記念が25日のクリスマスに実施されるのは16年以来6年ぶり8回目。直近の2回は16年サトノダイヤモンド、11年オルフェーヴルと、ともに池江厩舎が勝っている。ボッケリーニにはうれしいデータだ。
◇池江 泰寿(いけえ・やすとし)1969年(昭44)1月13日生まれ、滋賀県出身の53歳。父は池江泰郎元調教師。93年栗東・浅見国一厩舎で厩務員。94年池江泰郎厩舎で調教助手。95年から英国マイケル・スタウト厩舎、96年から米国ニール・ドライスデール厩舎で調教助手。03年に調教師免許取得、翌04年に開業。06年朝日杯FS(ドリームジャーニー)で初重賞&初G1制覇。08年に最多勝利調教師賞を受賞。11年オルフェーヴルで史上2組目となる父子ダービー制覇。JRA通算5392戦801勝(重賞89勝)。