【日経新春杯】ヴェルトライゼンデ“貫禄”根性差し トップハンデなんの!イーガン「ビッグハート」

2023年01月16日 05:23

競馬

【日経新春杯】ヴェルトライゼンデ“貫禄”根性差し トップハンデなんの!イーガン「ビッグハート」
<中京競馬 11R・日経新春杯>ゴール前の混戦を制し、日経新春杯を手にしたイーガン騎乗のヴェルトライゼンデ(中)(撮影・椎名 航) Photo By スポニチ
 伝統のハンデG2「第70回日経新春杯」が15日、中京競馬場で行われた。トップハンデ59キロを背負った昨年ジャパンC3着馬ヴェルトライゼンデが差し切り、昨年鳴尾記念以来の重賞2勝目を挙げた。トップハンデ馬の優勝は11年ぶり。初めて短期免許を取得して来日したデヴィッド・イーガン(23)はJRA重賞初勝利となった。
 この男はやる。ゴール前の攻防にヘッドワークが詰まっていた。英国をベースに騎乗するイーガンは初めて短期免許を取得。ヴェルトライゼンデでうれしいJRA重賞初勝利を飾った。道中は5番手のイン。直線で馬場の真ん中へ持ち出し、ファイトを引き出す。ゴール寸前で測ったように差し切った。「アリガトウゴザイマス」と日本語で感謝を示して、言葉を継いだ。

 「調教に乗った時に抜け出すとソラを使うと聞いていたので、他の馬と一緒に最後まで抜け出さないように気をつけました。ビッグハート。ガッツもある。またG1に向けて好走できるように頑張ってほしい」

 坂路の最終追い切りに騎乗して馬の特性をつかみ、レースVTRも入念にチェック。準備は完璧だった。インタビューの後は、ガラス越しに見つめるファンへ向かって大きく手を上げた。23歳の好青年は10Rの斜行で騎乗停止こそ科されてしまったが、今年早くも8勝と存在感をアピール。池江師も鞍上のリードを褒めた。

 「ジョッキーはレース前に“(芝は)内が悪いので、直線で外に出して”と言っていました。こういう競馬をしたいと言っていた通りの競馬でした。59キロで勝てたのも価値が高いですね」

 今年から各馬の負担重量が基本1キロ引き上がり、ハンデが59キロと重くなった。このレースをハンデ59キロ以上で勝ったのは99年メジロブライト(59・5キロ)以来24年ぶり。芝の重賞を59キロで制したのも11年京都大賞典のローズキングダム以来となる。止まった記録が動き出した。屈腱炎を発症した経験のある馬。トレーナーは「一度リフレッシュして、様子を見てケアをしていきたい」と語った。ジャパンC3着馬が道悪でタフな重量を背負って堂々たる勝ちっぷり。いざG1制覇へ、新春から期待が高まる。

 ヴェルトライゼンデ 父ドリームジャーニー 母マンデラ(母の父アカテナンゴ)17年2月8日生まれ 牡6歳 栗東・池江厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績13戦4勝(重賞2勝目) 総獲得賞金3億7804万7000円。馬名は世界旅行者(独)。


 ◇デヴィッド・イーガン 1999年6月19日生まれ、アイルランド出身の23歳。16年に騎手免許取得、17年に見習騎手チャンピオンに輝く。18年、英G2リリーラングトリーS(ピラスター)で重賞初制覇。ミシュリフとのコンビで一昨年サウジカップ(当時はリステッド)を制し、続くドバイシーマクラシックで自身初のG1勝利を果たした。英国で通算428勝をマーク。昨夏、札幌のワールドオールスタージョッキーズ初出場。先月10日から初めて短期免許を取得して騎乗を開始。JRA通算113戦17勝。

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