ディアドラで痛感した海外の難しさ

2023年02月24日 05:05

競馬

ディアドラで痛感した海外の難しさ
20年サウジアラビアに遠征したディアドラ Photo By スポニチ
 【競馬人生劇場・平松さとし】
 現在、サウジアラビアで原稿を打っている。

 1着賞金1000万米ドル、日本円にして約13億円のサウジカップばかりが脚光を浴びているが、3年前の20年、サウジカップデーで注目を集めたのは芝2100メートルの一戦に挑戦した橋田厩舎のディアドラだ。

 同馬は17年に秋華賞(G1)を制覇。古馬になってからは海外を中心に転戦。19年には英国ニューマーケットをベースとして戦い続けると、同年8月には英G1ナッソーSを優勝。世界でも十分に通用する牝馬であることを証明した。

 こうして6歳になった20年、サウジアラビアへ飛んだのだ。

 挑戦したのはモハメドユスフナギモーターカップ(当時)。8頭立てとなったこのレースで、G12勝の彼女の実績は頭一つ抜けており、事実、英国ブックメーカーでのオッズでは単勝1.3倍前後の圧倒的1番人気に支持された。

 O・マーフィー騎手を背に参戦したレースでは絶好の手応えで直線へ向く。“やはり楽勝か!?”と思わせたが、バーレーンからの遠征馬ポートライオンズが伸びて来ると、最後は鼻差、日本の女王を差し切り。ディアドラは残念ながら2着に惜敗した。マーフィーがムチの使用過多で騎乗停止処分を食らうほど追ったが、残念な結果となり、管理する橋田師は悔しそうに言った。

 「寒い時季が苦手な点だけがどうかと思ったけど、悪い予感が的中してしまったかもしれません」

 海外でも競馬の難しさを痛感させられる結果は、改めて海外遠征の難しさをも感じさせる結末でもあった。

 さて、今年のサウジカップデーには5つのレースに実に20頭の日本調教馬が参戦する。福永祐一騎手の現役最後の騎乗もあり、注目されているが、果たして海外遠征の壁が立ちはだかるのか。その壁は高く厚いからこそ、打ち破った時の喜びはひとしおだ。ちなみに昨年のサウジデーは日本馬が4勝した。今年も同様の結果となることを期待したい。 (フリーライター)

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