年齢だけで除外されるベテラン…実績にも目を向けて

2016年01月01日 10:53

サッカー

 あけましておめでとうございます。16年も読者の方々に良いニュースを届けられるよう、気を引き締める次第です。
 さて、今年はリオ五輪イヤー。1月13日からはリオ五輪出場を掛けて、23歳以下の日本代表がアジア最終予選に臨む。FW久保裕也(ヤングボーイズ)やMF南野拓実(ザルツブルク)ら若い力が、6大会連続出場権を手にすることを願っている。彼らは日本サッカー界の「未来」である。一方で、日本サッカー界の「現在」を作ってきたベテランたちの反発心にも期待している。

 昨年もベテランの退団が相次いだ。W杯日韓大会に出場した元日本代表MF明神智和(G大阪)、常勝軍団の一翼を担ってきた元日本代表MF本山雅志(鹿島→北九州)、4大会連続W杯出場の元日本代表GK川口能活(岐阜→SC相模原)、名古屋の10年リーグ初優勝に貢献したDF増川隆洋(神戸)、10月17日の川崎F戦でロスタイム劇的弾を決めて優勝へ加速させたMF山岸智(広島)…。枚挙にいとまがない。

 クラブで結果を残し、歴史を作ってきた彼らは皆、近年は出場機会を奪われていた。所属クラブとして、新陳代謝に踏み切るのは当然だろう。しかし…。他のクラブが彼らを“年齢”で判断してしまうのは、少し違うのではないかと思う。

 昨年オフ、クラブから契約非更新の通告を受けたある選手は移籍先を模索していた。その選手は正規の代理人(仲介人)を付けていなかったため個人で“就職先”を探すしかなかった。そしてクラブから返ってくる答えは決まって「来年○歳か…」「ベテランよりも若手選手でいきたい」という言葉。実力以前の問題で、門戸を閉じられることが多かったという。

 少し話はそれるが、先日、プロ野球・中日の荒木雅博選手と会った際、15年シーズンに定位置を奪われた彼は「年齢でポジションを奪われるつもりはない。だからオープン戦の最初から100%でプレーしてアピールしますよ」と話していた。確かにベテラン選手は現在以上の上積みはないかもしれない。1、2年後には引退している可能性もある。それでも老獪さや経験、何よりも荒木のようにプロの世界で生き抜いてきた気持ちの強さ、まだ現役でプレーしたいという必死さがある。

 もちろん、移籍にはタイミングやポジションのバランスなどがあることは承知している。ただ年齢だけで除外するのはもったいないと思うし、その実績に目を向けてくれる余地があっても良いのではないか、と切に感じる。

 明神にしろ、本山にしろ、増川にしろ、出場機会さえ与えられれば、何か魅せてくれるプレーはできると思っている。彼らは今年39歳となる記者と同年代。勝手にシンパシーを感じている当方としては、彼らが新天地でもう一花咲かせることに期待しているし、1人でも多くの選手が、1年でも長くユニホームを着られることを願っている。(飯間 健)

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