元チェアマン川淵三郎氏 史上初9人連続PK失敗にも優しい視線「誰も責任を感じなくて済んで良かった」
2020年02月08日 18:38
サッカー
だが、両チームとも2人目までは順調に成功させたものの、先攻の横浜3人目・ジュニオがGK飯倉にセーブされると、神戸3人目の小川はゴール左ポストに直撃させて失敗。さらに水沼(横浜)、西(神戸)、松原(横浜)、大崎(神戸)、和田(横浜)、フェルマーレン(神戸)、遠藤(横浜)と実に9人連続でPK失敗に終わり、最後は神戸の7人目となった山口がゴール右に決めて勝利を収めた。両チーム合わせて14人がキッカーを務め、成功は1、2人目のマルチンス(横浜)、イニエスタ(神戸)、扇原(横浜)、田中(神戸)と山口の5人だけ。相手GKにセーブされたのはジュニオ、西、和田の3人だけで、残りの6人はポストやクロスバーに当てたり、枠の上に外れるという内容。天皇杯を除くJリーグ公式戦でこれまでのPK戦最多連続失敗は、J元年の1993年7月3日に行われた横浜F(98年度限りで消滅)―V川崎(現J2東京V)戦(長崎)の5人が最多で、PK戦で9人が失敗するのは両チーム合わせてのべ28人がキッカーを務めた1995年3月29日の浦和―名古屋戦(国立)以来25年ぶり2度目の“珍事”となった。
だが、川淵氏は「凄い試合だった。素晴らしい試合だった。スピーディーで攻撃的で攻守の切り替えが早くスーパーカップの歴史に残る好試合」と絶賛。両チーム合わせて9人連続失敗に終わった前代未聞のPK戦についても「またそれとは別にPKをあれだけ枠を外したのはJリーグの記録にないのでは。余りにも多くの選手が失敗したから誰も責任を感じなくて済んで良かった」と優しさあふれる視線で選手をねぎらっていた。