“神”GK熊倉2本止めた!山梨学院 魂のPK戦制し11大会ぶり決勝切符
2021年01月10日 05:30
サッカー
「PKは得意」と胸を張る。「自分たちが目指しているのは優勝。そこにつながって良かった」と、ホッとした表情で勝利をかみしめた。
幸先はよく、前半開始17秒にMF野田が相手の意表を突く約30メートルのロングシュート。惜しくも阻まれたが、そこから今大会最速となる開始21秒での先制点が生まれた。FW久保の右足シュートのこぼれ球を、MF石川隼が体を倒しながらも右足で流し込んだ。「自陣でボールを奪ったあと、シンプルに相手の裏をロングボールで狙う作戦だった」と石川隼。対戦相手を徹底的に研究し、伝統の堅守で勝ちきる。前半はまさに思い通りだった。
後半5分にロングスローからDF一瀬が頭で決めて加点。だが、長谷川監督が「2―0でホッとしてしまった」と振り返ったように、終盤は完全に相手にペースを握られた。気がつけば同点でPK戦。その嫌なムードを払しょくしたのが、主将の好セーブだった。この準決勝からは保護者や学校関係者も規制され、完全無観客開催。熊倉は「親や試合に出られない仲間に見てもらえないのは悲しかったけど、その分、今日は絶対に勝って恩返ししたかった」と喜んだ。
決勝は初優勝した88回大会以来。相手はくしくも同じ青森山田だ。2度目の全国制覇へ、熊倉は「青森山田は伝統のある強豪校。自分たちがやってきたことを信じて、チャレンジャー精神で臨みたい」と誓った。
◆熊倉 匠(くまくら・たくみ)2002年(平14)7月30日生まれ、埼玉県出身の18歳。FC東京U―15深川を経て山梨学院に進学。鋭いシュートへの反応が武器。決勝で対戦する青森山田のMF安斎とは中学時代にチームメートだった。好きな選手はイタリア1部ユベントスの元イタリア代表GKブフォン。家族は両親、姉、妹。1メートル81、75キロ。