神戸・吉田監督 冴えわたる采配で鹿島撃破 左SBに本多勇喜を起用した「深い」理由とは

2023年10月21日 20:33

サッカー

神戸・吉田監督 冴えわたる采配で鹿島撃破 左SBに本多勇喜を起用した「深い」理由とは
<神戸・鹿島>前半、ゴールを決めた神戸・井出は両手で「31」の数字を作る(撮影・西海健太郎) Photo By スポニチ
 【明治安田生命J1リーグ第30節   神戸3ー1鹿島 ( 2023年10月21日    国立 )】 クラブ史上最多ホーム試合5万3444人の観客が集った国立決戦で、神戸は“普段着サッカー”だった。左手小指脱臼のGK前川黛也と足首痛を患っていたFW武藤嘉紀も強行スタメン。その2人の出場可否に加えて、もう一つ注目が集まっていたのが左サイドバック(SB)の人選だった。
 今季全試合出場のDF初瀬亮が累積警告で出場停止。左右両足から繰り出される高精度フィードは誰にもマネできない武器だった。その中で吉田孝行監督が選んだのは、センターバック起用が多いDF本多勇喜(32)。試合後、指揮官は意図を明かした。

 「最初は違う選択肢があった。でも3日前(18日)に行った紅白戦で、選手全員に違和感があった」。17日の公開練習では、右SBのDF酒井高徳が左SBにトライしていた。

 恐らく「違う選択肢」とは酒井の左SB起用。だが今季、攻撃時は右SB(酒井)が高く位置して、左SB(初瀬)はDFライン近くでビルドアップに参加する“右肩上がり”戦術を採用している。

 「違和感」の正体は“左肩上がり”になったことだった。

 「いつものやり方の方が力を出せる」と吉田監督。そして酒井を右SBに戻し、攻撃力以上に守備力が高くビルドアップもできる本多を左SBに置くプランに切り替えた。限りなく初瀬が左SBにいる時の状態に持っていくことでチーム全体に安定感をもたらした。

 8月26日・FC東京戦ではサイドが本職のMFパトリッキをCFで起用して同点に追いついた。9月23日・C大阪戦ではインサイドや右FWが多いMF佐々木大樹を左FWで起用し、C大阪DF毎熊晟矢をシャットアウト。シーズン佳境に入って、指揮官の采配が冴え渡っている。

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