【高校サッカー】近江 ゴイゴイスー初4強!!鵜戸が劇的V弾 OBにダイアン・津田

2024年01月05日 06:00

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【高校サッカー】近江 ゴイゴイスー初4強!!鵜戸が劇的V弾 OBにダイアン・津田
<神村学園・近江>応援団の声援に応える近江イレブン(撮影・白鳥 佳樹) Photo By スポニチ
 【第102回全国高校サッカー選手権第5日・準々決勝   近江4―3神村学園 ( 2024年1月4日    浦和駒場 )】 近江(滋賀)は神村学園(鹿児島)との点の取り合いを4―3で制し、初の4強入りを決めた。県勢の準決勝進出は05年度大会を制した野洲以来。3―3で迎えた後半アディショナルタイムにMF鵜戸瑛士(3年)が決勝ゴールを決めた。6日の準決勝で堀越(東京A)と対戦する。
 ラストチャンスを華麗に仕留めたのは近江のMF鵜戸だ。3―3で迎えた後半43分。ペナルティーエリア内のこぼれ球に鋭く反応した。滑り込みながら右足を一閃(いっせん)。相手GKの股を抜く決勝ゴールをたたき込み、国立への切符をもぎ取った。

 「今までで一番うれしいゴール。“自分は決められる”とずっと信じていました」

 何度突き放されても諦めない。これが近江のサッカーだ。前半12分に鵜戸が先制弾を決めたが、その6分後に追いつかれ、さらにその4分後にはベルギー1部ゲンクに内定しているDF吉永に勝ち越し弾を献上した。MF山本の同点弾直後の後半15分にはU―17日本代表のMF名和田に3戦連発を許した。それでも同26分に山本の同点ヘッドで食らいつき、終盤の逆転劇につなげた。

 前田高孝監督(38)の涙が転機となった。昨夏の全国高校総体1回戦でPK戦の末に成立学園に敗れた直後のミーティング。選手を前に「力不足で勝たせてあげられなくてごめん。俺も指導者として成長するから、お前らも成長した姿を見せてくれ」と声を震わせた。選手は全員、大粒の涙を流したという。「監督のために、全国で勝っていっしょに喜びたいと思えた」と主将のDF金山。戦術面でもまず選手の意向をまとめて監督に上げ、すり合わせるボトムアップ方式を採用。揺るぎない信頼関係が強さの秘けつだ。

 今大会2回戦で高校総体4強の日大藤沢を、3回戦では同王者の明秀学園日立(茨城)を撃破。そして、近江が所属するプリンスリーグ1部よりも格上のプレミアリーグで戦う神村学園まで倒した。強豪を次々となぎ倒していく様は、まさにチームスローガンの「Be Pirates.」(海賊になれ)と重なる。「強い相手に立ち向かうのが自分たちのサッカー」と鵜戸。下克上物語の完結まで、あと2勝だ。

 ▽ゴイゴイスー 人気お笑いコンビ「ダイアン」津田篤宏の持ちギャグ。「すごい」を業界用語風に逆から読んだ「ゴイスー」から派生したものとみられ「凄い」の意の最上級となる。凄いものを見た時などに右手を突き出して「ゴイゴイスー」と叫ぶ。

 ≪前田監督も満足げ≫前田監督は劇的勝利をかみ締めた。試合前には「殴り合うで」と選手に伝え、攻撃のイメージを膨らませた。まさに殴り合いを制し「ウイーク(ポイント)で勝負しても、彼らは楽しくない。自分たちのストロングでやろうと」とうなずいた。草津東高出身でJリーグの清水などでもプレーした経歴を持ち、部が強化指定クラブとなった16年に就任した。2ゴールを挙げたMF山本については「大阪出身で、なにわの血が入っているので、理屈じゃなくて気合。おもしろくてええヤツです」と独特の言い回しで活躍を喜んだ。

 ≪野球部の多賀監督も感無量≫近江の副校長を務める野球部の多賀章仁監督(64)も劇的勝利に感無量だ。初戦の2回戦から3試合連続で応援席から声援を送り、「無欲無心で戦ったことが勝利につながったと思う」と選手の奮闘を称えた。あす6日の準決勝・堀越戦は野球部員も総動員で応援に駆けつける予定だという。野球部は昨秋の近畿大会で8強入り。今春選抜出場の可能性を残している。

 ▽近江高校 1938年(昭13)創立。滋賀県彦根市。スクールカラーは青。サッカー部は71年創部で、選手権は2020年度に初出場初勝利。硬式野球部、バレーボール部、柔道部も全国レベル。主な卒業生に津田篤宏(お笑いコンビ・ダイアン)、植田海(阪神)、京山将弥(DeNA)、山田陽翔(西武)ら。

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