【アジア杯】林陵平氏が読み解くバーレーン戦 三笘を生かしたWB中山、臨機応変4→3バック

2024年02月02日 04:45

サッカー

【アジア杯】林陵平氏が読み解くバーレーン戦 三笘を生かしたWB中山、臨機応変4→3バック
<バーレーン・日本>後半、ゴール前に迫る三笘(撮影・西海健太郎) Photo By スポニチ
 アジア杯で3大会ぶり5度目の優勝を狙う日本代表は1月31日、決勝トーナメント1回戦でバーレーンに3―1で勝利し、9大会連続の8強入りを決めた。東大サッカー部前監督の林陵平氏(37)は、攻守に課題を挙げながらも、日本の盤石の戦いぶりを評価。4強を懸けて中2日で戦う、3日の強敵イランとの準々決勝も占った。(取材・構成 垣内 一之)
 今大会初のクリーンシート(無失点)は逃したが、林氏は「盤石なゲーム運びだった」と総評した。評価した点は主に3つある。
 (1)守備
 「ミドルプレスでコンパクトに戦えたのが良かった。1次リーグも全てハイプレスではなくて、状況に応じて4―4―2でブロックを組んだり、相手がロングボールを蹴ってきたときも、冨安がラインを下げずにしっかり守れていた」

 ロングボールか後方からつなぐのか。相手の「中途半端だった」という攻撃にも助けられたようだが、抜群のラインコントロールを見せた冨安を中心に、24日のインドネシア戦に続き臨機応変な守備対応が光ったという。

 (2)3バック
 「相手が2トップにしてきたので、(3―1の後半35分に)町田を入れて3枚に変更。その采配が良かった。守備ではリードしている状態で後ろを5枚にしたら普通は自陣で5―4―1のブロックを組みがちだが、5―2―3気味で守ったり、冨安がいることによって高い位置でライン設定ができる。攻撃でも、3バックが相手2トップに対して数的優位でボールを運べ、三笘も位置的優位でワイドでフリーになれていた。状況に応じて3枚と4枚を使い分けられるオプションを持てたことは大きい」

 一発勝負のトーナメントでは内容よりも結果が重要。「時間帯によってブロックをつくりながらも、カウンターを繰り出せるようになっている」と指摘する手堅い試合運びを、林氏は「強者のサッカー」と称えた。

 (3)三笘
 その速攻で大きな役割を果たしたのが、今大会初登場でさすがのプレーで沸かせた三笘。林氏も「サイドに張って縦に仕掛けるのが得意な選手で、アジアだと止められる選手はいない」と改めて絶賛し「3―4―2―1だと、ウイングバックの選手は幅を取りがちだけど、中山は頭がいい。中と外の使い分けがうまく、三笘を生かすために中に入って、三笘が幅を取る形でフリーになれていた」と分析する。

 ただ、4試合で6失点中4失点のセットプレーの守備に加え、「安定感が欲しい」というGK鈴木、「三笘がサイドを突破できているが、味方がクロスに対してニアに追いついていないシーンがある。逆サイドも含め、クロスの入り方を共有したい」と課題も指摘した。

 次の相手はさらなる強敵イラン。日本戦ではエースのFWタレミが出場停止となる。林氏も「前線で攻撃の中心を担うタレミの不在は、日本にとっては大きい」と強調。「後方からボールをつないでくるので、ハイプレスで引っかけることができれば、必ずチャンスになる」とし、1トップのアズムンを要注意人物に挙げながらも「冨安がいるから、不安は全くない。しっかり戦えば勝てると思う」と予想した。


 ◇林 陵平(はやし・りょうへい)1986年(昭61)9月8日生まれ、東京都八王子市出身の37歳。東京Vの下部組織出身で、明大を経て09年にトップ昇格。10年に柏へ移籍し、同年にJ2優勝、翌年にJ1制覇を経験。その後は山形、水戸、町田、群馬など主にJ2でプレーし、20年に現役引退。引退後は指導者と解説業をこなし、21~23年、東大ア式蹴球部(サッカー部)の監督を務めた。今年S級コーチ養成講習会を受講予定。1メートル86、80キロ。利き足は左。

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