東京・銀座の精神科 「休職に特化」で物議 謝罪 「休職診断書の発行がメイン」も傷病手当不正受給は否定

2024年03月04日 09:51

社会

 東京・中央区銀座の心療内科・精神科「東京駅メンタルクリニック」は4日、公式サイトに掲載した内容に不備があったとして謝罪した。
 同院は「スマホ診療完結のメンタルクリニック」を掲げ、「お仕事を休むための診断書」「スマホでかんたん!診断書がもらえる」と公式サイトに掲載。「診断書は即日、すぐに発行」「初診は15分」とし、「お薬の処方はしておりません」「カウンセリングは行っておりません」なとど説明し、ネット上で物議をかもしていた。

 これらの意見を受け、同院は「ホームページの掲載内容に誤解を招く表現があり患者様をはじめ多くの方々に対してご不安とご心配をお掛けしておりますことを衷心よりお詫び申し上げます」と謝罪。「誤解を招く表現となっております点について、下記のとおりご説明申し上げます」とした。

 「オンライン診療について」は、「当院では対面による診療も行っておりますが、心療内科・精神科の初診の受診を希望しても数ヶ月待ちとなってしまう遠方の患者様やつらい状況にあるもののクリニックへ来院することが難しい患者様が多いことから、そのような患者様が速やかにクリニックを受診できるように精神科のオンライン診療を始めました」とし、「ガイドラインに沿って適切に実施しております」と説明。「診断書の即日発行」についても、「患者様が希望すれば診断書の発行をお約束できるものではなく、医師の診療を受けていただいた後、医師が診断書の発行の可否や内容を決定しております」とり、「当院のホームページの記載では、患者様が希望すれば即日診断書を発行することをお約束するような誤解を招く表現となっておりましたことをお詫び申し上げます」と謝罪した。

 また「薬の処方をしていない」という旨の記載については「オンライン診療ガイドラインに初診の場合は麻薬及び向精神薬の処方を行わないことという記載があることを受けて、同ガイドラインに浴った対応をしたことによります。現在は、再診の患者様に対して、医師の判断により必要と認められる場合はお薬の処方も行っております」と記載。

 「初診15分」については「当院のホームページの更新の不備があり、診療時間を実際の診療時間より短く記載しておりました。実際の診療時間の目安といたしましては、初診:(ホームページの記載)15分 (実際の診療時間) 30分 再診:(ホームページの記載)10分 (実際の診療時間) 15分」と訂正した。

 また「オンライン診療でのカウンセリングがないという表現」については、「いわゆる心理カウンセラーによるカウンセリングは無いという意味で記載しておりました。医師による診察は必ず行っておりますのでご安心下さい」と釈明。

 「傷病手当金支給申請書について」は「はじめに、当院が傷病手当金の不正受給を促しているという事実は一切ございません」と断言した上で「しかしながら、傷病手当金支給申請書に関して当院のホームページに誤解を招くような表現があったことについてお詫び申し上げます。傷病手当金制度をご存じない患者様も多く、経済的な不安により休職して治療することを躊躇する患者様に対するご案内としてホームページに掲載しております」とした。

 また、院長・小池慶太郎氏は「最後に院長より当院を開設した思いをお伝えさせて下さい。心療内科・精神科の初診の受診については、患者様が当日に診療を受けられないばかりか、予約が数ヶ月待ちになってしまうことも少なく無い現状があります。心療内科・精神科の受診を希望する患者様に少しでも早く診察を受けていただくことは、回復への道のりが険しくなることを防ぎ、安心して治療に取り組んでいただく大切な一歩だと考えております」と主張。「さらに自宅から来院することが難しいほど深刻な抑うつ状態にある患者様、希死念慮(自殺したいというお気持ち)など今まさに危機が切迫している患者様にとっては、自宅からのオンライン診療を受けられる機会を用意し、在職中の患者様には、まずは速やかに休養に入るべく必要な診断書を発行させていただき、その後対面による診療でのフォローをする必要があると考えております。なお、オンライン診察で対面での診察がすぐに必要と判断される場合や重症で入院適応と考えられる場合につきましては、症状に応じて対面診療への移行や入院可能な病院への紹介を行うなど適切に対応しております」と思いを主張した。

 その上で「この度、当院のホームページに『診断書の即日発行』『お仕事を休むための診断書』『休職に特化』等の記載をしておりましたのは、実際につらい状況下にある患者様に対して受診しやすいクリニックであることを示したいという意図によるものでした。しかしながら、一方で当院のホームページをご覧になった方々に詐病の方に対しても簡単に診断書を発行する医療機関であるかのようなご誤解を与えてしまいましたことをお詫び申し上げます」と、改めて謝罪をつづった。

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