岸田首相 針のむしろ 自民「ハレンチ懇親会」参院予算委で野党から集中砲火

2024年03月14日 05:30

社会

 参院予算委員会で13日、2024年度予算案に関する集中審議が行われ、自民党和歌山県連を舞台にしたハレンチ懇親会が取り上げられた。「外交・安全保障等を含む内外の諸課題」をテーマにした場で、野党が岸田文雄首相を追及。派閥の政治資金パーティー裏金事件で防戦に追われてきた首相が、ついにはハレンチ問題で集中砲火を浴びるという末期症状を露呈した。
 懇親会は和歌山県連青年局が仕切り、近畿2府4県の地方議員らが参加。居合わせた党青年局の藤原崇局長と中曽根康隆局長代理が辞任に追い込まれた。

 立憲民主党の塩村文夏氏は、滋賀県連が参加6議員の費用を支出したとして「公費が含まれている可能性が十分ある」と追及。首相は、党青年局が属する組織運動本部の調査を踏まえ「税金を原資とした政党助成金などからの支出は行っていない」と説明。塩村氏は「青年局の事業に公費が入っていないのは考えにくい」と指摘した上で「そうだとすると、企業・団体献金や国民からの寄付が過激懇親会に使われていたことになる。自民党支持の皆さん、良しとするのか」と訴えた。

 露出の多い衣装の女性ダンサーの体に「記憶では」触っていないとする藤原氏。疑念の声が上がっているとして確認を求められた首相は「触ったという不適切な事実は確認されていない」。女性不参加の不自然さを問われると「たまたま含まれていなかった」と苦しい答弁。

 企画した和歌山県議がその意図として挙げた「多様性」に関し「首相の目指す多様性と一致するのか」とただされたほか、チップ口移し場面なども収められた流出動画を「(見て)確認するべきだ」と迫られる場面も。塩村氏は、裏金事件を受けた衆院政治倫理審査会を巡る評価で定番になっている文言を持ち出し「答弁を聞いて“謎が深まった”」と話し、ハレンチ懇親会を巡る質問を終えた。

 地方組織によるハレンチ懇親会が国会で取り上げられる事態。チップを口移ししたのは和歌山県選出の世耕弘成前参院幹事長の秘書と報じられるなど沈静化には程遠い状況だ。政府内からは「世耕問題もあり政局絡み。とはいえ、情けない限りだ」と吐き捨てる声も聞かれた。

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