東和銀行、パワハラ受け行員が過労自殺 3つの再発防止策発表「取り返しのつかない大変な事案を起こした」

2024年05月10日 14:51

社会

東和銀行、パワハラ受け行員が過労自殺 3つの再発防止策発表「取り返しのつかない大変な事案を起こした」
東和銀行
 2017年に東和銀行(前橋市)の男性行員=当時(25)=が自殺し、川越労働基準監督署(埼玉)が労災と認定したことについて、江原洋頭取は9日、決算発表の記者会見で「取り返しのつかない大変な事案を起こし、深くおわびする」と謝罪した。その後、公式サイトを通じ、「再発防止に向けた取り組み」を発表した。
 東和銀によると、死亡後の内部調査で、叱責や人格を否定する発言のほか、休日に呼び出して勉強会を開くなどのパワハラ行為があったと認定した。江原頭取は「重い責任を感じる。二度とないよう徹底したい」と語った。

 遺族の代理人弁護士によると、男性行員は17年4月に川越支店(埼玉県川越市)に異動し、法人営業を担当。顧客から無理な注文を受けたり、上司から他の行員の前で叱責を受けたりしていた。5月31日に出社せず、死亡した。労基署は昨年8月、労災認定した。

 東和銀は公式サイトに「労働問題の再発防止に向けた取り組みについて」と題する資料を公開。「亡くなられた故人に対し、ご冥福をお祈り申し上げ、衷心より哀悼の意を表します。また、ご遺族の方々には、大切なご家族を亡くされるという、取り返しのつかない大変な事案を起こしてしまい、深くお詫び申し上げますとともに、改めてお悔やみ申し上げます」と謝罪し「行員一人ひとりが安心して働ける、風通しの良い職場風土を築けるよう、全行をあげて取り組んでまいります」として、3つの指針を発表した。

 東和銀の発表は以下の通り。

 1・「ハラスメントを許さない組織風土の醸成」

 頭取から全行員向けに「ハラスメント行為等のない安全で働き易い職場づくりに取り組む方針」を表明し、また支店長会議での徹底や全行員に対するハラスメント研修等を継続的に実施し、一人ひとりの人格や尊厳を尊重する意識の醸成に努めております。また、業務面では推進業務に偏重していた本部による営業店訪問での指導から、人材育成、職場環境に亘る営業店訪問時の確認へと変更しており、加えて業務の目標設定では、本部主導で決めるのではなく、営業店が実態に合わせて自主的に目標を設定する仕組みとしております。

2・「風通しの良い職場環境づくり」

 人事部やリレーションシップバンキング推進部の担当者が営業店訪問時に職場環境やハラスメントの有無についてのヒアリングによる職場環境のチェックを行うとともに、従業員組合独自でも銀行とは違う立場で渉外関連行員向けに労働実態についてアンケート調査を実施しており、加えて監査部による結果を経営側と共有することで、行員にとって働きやすい環境であるよう配慮しております。

3・「若手行員に対するフォロー体制の構築」

 人材育成プログラムを活用した若手行員に対する研修体制を整備し、また、若手行員の育成方法を従来の結果重視からプロセス重視に変更しております。加えて、融資案件の本部相談制度を変更し、本支店が一体となったフォロー体制を整備しております。特に経験の浅い若い行員などがスムーズに案件相談ができるよう、本部行員による指導等、本部サポートを実施しております。

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