“仕分け”の蓮舫氏 都民に仕分けられる? 2位じゃダメな都知事選で厳しい戦い 有楽町で街頭演説
2024年06月03日 04:40
社会
肝心の演説の重点はこの日も小池都政批判。濡れることのない屋根の下でマイクを握り、小池百合子知事が2016年都知事選で掲げた満員電車ゼロなど「7つのゼロ」の公約について「8年たっても達成してないじゃない!」とボルテージを上げた。先月27日の出馬表明会見で「非小池都政」を大々的に打ち出した一方、自身の公約を明らかにしなかったことで、「批判ばかり」などとSNS上でプチ炎上。これを念頭に「批判じゃないでしょう、これは。ファクトを伝えている」と強調する場面もあった。
旧民主党政権が誕生した09年、政府予算の無駄を洗い出す「事業仕分け」で急先鋒(せんぽう)を務め注目された蓮舫氏。最大のセールスポイントの一つで、この日の演説でも行政改革の実績をアピール。「お金の使い方に間違いがあるのであれば、潤う人たちが違うのであれば、それを正す手段が唯一、行革であると確信しています」と訴え、「東京都のお金、一般会計だけで8・5兆円。洗いがいがあるんじゃないでしょうか」と都政でも同様の改革を行う意向を示した。
ただ、過去の得票数を見る限り、蓮舫氏が厳しい戦いを強いられるのは必至だ。都知事選では都民による“仕分け”を受ける側。事業仕分けでは、次世代スーパーコンピューターの予算削減に関し「(世界)2位じゃダメなんですか?」と言い放ったが、今回は2位では都知事になれない。
≪立候補者過去最多へ≫東京都知事選の候補者数が、過去最多を更新する可能性が高まっている。すでに最多だった前回2020年の22人を上回る25人以上が出馬の意向を表明。立候補書類を受け取った人も、5月30日時点で前回の最終人数より6人多い53人に上る。東京都選挙管理委員会は候補者数を見定めながら、掲示板設置などの準備を進めている。立候補するのに300万円の供託金が求められ、得票が有効投票数の1割未満だと没収される。都政に詳しい中大の佐々木信夫名誉教授(行政学)は、都知事選で候補が多くなる要因について「メディアに取り上げられるため、300万円以上の売名効果があると考える人がいるのだろう」と指摘した。