「富士山見えず」で完成直前マンション解体 積水ハウス「景観への影響の検討が不十分」と判断

2024年06月11日 05:30

社会

「富士山見えず」で完成直前マンション解体 積水ハウス「景観への影響の検討が不十分」と判断
解体されることになった「グランドメゾン国立富士見通り」=10日午後、東京都国立市 Photo By 共同
 積水ハウスが、東京都国立市で7月に引き渡し予定だった分譲マンションを完成直前で解体することが10日、同社への取材で分かった。富士山の眺望に影響が出ると近隣住民から指摘を受け、計画の変更や住民説明を重ねたが、5月に再調査した結果「景観への影響の検討が不十分」と判断したという。
 解体するのはJR国立駅から徒歩約10分の「グランドメゾン国立富士見通り」。地上10階建ての総18戸で、7000万~8000万円を中心に販売していた。2023年1月に着工し完成間近だったが、今月4日に積水ハウスが国立市へ事業中止を届け出た。

 住民の要望を受け、11階建ての計画を10階建てに変更。各階の高さを低くするなどの修正を重ねたが、直前に解体する異例の事態となった。積水ハウスは建築費用と解体費用を特別損失として計上する方針。

 積水ハウスは「景観を大事にする文化は承知していたが、十分検討できていなかった。契約者のお客さまにも深くおわびし、再発防止に万全を期す」とコメントした。

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