ブサカワ犬「わさお」の後継 養女「ちょめ」マイペースで観光駅長の重責担う

2024年06月24日 05:30

社会

ブサカワ犬「わさお」の後継 養女「ちょめ」マイペースで観光駅長の重責担う
JR鰺ケ沢駅の観光駅長を務める秋田犬「ちょめ」。左は工藤健さん=8日、青森県鰺ケ沢町 Photo By 共同
 不細工だけどかわいい「ブサカワ」で人気を集め、2020年に天国へ旅立った秋田犬「わさお」の養女「ちょめ」が、今年4月にJR五能線鰺ケ沢駅(青森県鰺ケ沢町)の観光駅長に就任した。全国からファンを集めたわさおが背負った肩書だけに重責だが、共に暮らす工藤健さん(56)は「自分らしくマイペースでいい」と見守っている。
 ちょめは同じ秋田犬で8歳の雌。16年に飼い主を探す一環で、わさおの活動を支援していた工藤さんの元へやって来た。一時預かりのはずだったが、わさおを育てていた菊谷節子さん(故人)が家族のように感じたため、そのまま「わさおファミリー」の養女として鰺ケ沢に残り、工藤さんと暮らすことになった。

 預かり中、まだ名前がないことを指して、菊谷さんが伏せ字を意味する俗語から「チョメチョメ」と呼んだのが由来。「雄なら(名無しの)『権兵衛』にするつもりだったらしい」と工藤さん。

 18年に鰺ケ沢駅の見習いとなり、わさお、その妻つばき(19年に急死)と共に観光客の出迎え活動を開始。観光主任や営業主任を歴任し、晴れて観光駅長に昇格した。

 体は一回り小さいが、わさおをほうふつとさせる白い長毛が特徴で、同じような活躍を期待されることも。だが工藤さんは「性格は全く違う。わさおほどのオーラやサービス精神はなく、我が強いイヤイヤ駅長かも」と笑う。

 観光駅長の業務は不定期で、臨時列車や多客時にあわせて出勤する。普段は以前わさおが住んでいた小屋に通い、菊谷さん一家の営む商店の買い物客らと触れ合う。

 映画にもなったわさおの生涯は「奇跡みたいだった」という工藤さん。バトンを託しつつも「わさおにはなれないし、ならなくてもいい。できることを好きなようにやってほしい」と話している。

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