大手パチスロ機メーカー元会長が50億円申告漏れ 追徴税額約27億円

2024年07月24日 05:30

社会

 東証スタンダード上場の大手パチスロ機メーカー「ユニバーサルエンターテインメント」(東京)創業者の岡田和生元会長(81)が、香港の資産管理会社の所得を巡り、東京国税局から2020年までの3年間で約50億円の申告漏れを指摘されていたことが23日、関係者への取材で分かった。
 低税率の国や地域に利益を移すことによる節税を防ぐ「タックスヘイブン(租税回避地)対策税制」が適用され、資産管理会社の所得の一部を個人の所得と合わせて申告すべきだったと指摘されたもようだ。所得税の追徴税額は無申告加算税を含め約27億円とみられる。

 関係者によると、元会長は香港にある資産管理会社の株を親族らと所有。資産管理会社はユニバーサル社の親会社で、配当を含め、多額の収入があった。国税局は、資産管理会社の所得のうち約30億円は元会長が日本で申告すべきだったと判断したとみられる。さらに、同社から元会長への配当も申告していなかった。元会長は処分を不服として審査請求したが、棄却された。

 タックスヘイブン対策税制は、日本法人や日本居住者らが50%を超える株を所有する外国法人で、現地での法人税負担割合が低く、事業実態がない場合などに適用される。同税制が個人に適用されるのは珍しい。

 ユニバーサル社は「(元会長は)現在は当社とは関係がなく、コメントできない」としている。元会長は、国税庁が公表していた高額納税者ランキングで全国1位になったこともある。

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