猛暑続く日本列島 犬も熱中症に注意 専門家「死に至るケースもある」と注意喚起

2024年08月20日 04:00

社会

猛暑続く日本列島 犬も熱中症に注意 専門家「死に至るケースもある」と注意喚起
熱中症対策グッズを身に着けて散歩するラブラドルレトリバー Photo By スポニチ
 各地で猛暑が続く中、人間だけでなく犬も熱中症に注意が必要だ。体の不調を言葉で訴えることができないため、飼い主が気づかない間に重症化してしまう危険性がある。「ペットクリニックアニホス」院長で獣医師の弓削田直子さんは「ほとんど汗をかけないため短時間で重篤な症状に陥り、死に至るケースもある」と警鐘を鳴らす。
 ペット保険を提供するアニコム損害保険の調査によると、昨年の熱中症での診療件数は1424件。弓削田さんによると、フレンチ・ブルドッグやパグ、シーズーなど頭の短い「短頭種」でよりリスクが高まり、高齢の場合や持病がある場合も注意が必要という。

 重症化すると「病院でも救命をするのが難しいことも多い」といい、初期症状を見逃さないことが重要だ。初期症状の一つが体温調節のために行っている舌を出してハアハアと呼吸する「パンティング」。「運動時や興奮時以外に長く続くようであれば、熱中症を疑った方が良い」と説明した。ほかにも、体温が40度を超える時や、ベロや歯肉の赤みが普段より強い時なども熱中症の可能性があるという。

 ペットの命を守るためにも予防が大切となる。弓削田さんによると、一般的に犬にとっての適温は26度ほどで、30度を超えるような日には、外で飼育している場合は室内に入れるなど対応が必要。散歩中に熱中症になることも多いとし「散歩を朝早い時間に変更するのもおすすめ。飲み水は絶対に持参し、保冷剤を入れて首などを冷やすことができるクールエプロンなどのグッズも活用してほしい」とした。

 症状が出た時には「常温の水でぬらしたタオルを体にかけて扇風機などで風を送ったり、喉や脇の下、太ももなどの太い血管がある部分を保冷剤で冷やすなど応急処置をする」と説明。「ぬれタオルで全身を冷やす際には、急激に冷やすと末梢(まっしょう)血管が収縮してしまい熱が発散されにくくなるため、あくまで常温の水を使用するよう注意が必要」とした。

 名前を呼んでも反応がない場合や反応しても動けないなど症状が重い場合には「体を冷やしてあげるのに加えて、飲めるなら水を飲ませてあげながら動物病院などに行ってほしい」と呼びかけた。

《室内でも外出の際は注意!「スマートホーム」有効》室内でも注意が必要だ。弓削田さんによると、今年多くなっているのが飼い主が外出中にゲリラ雷雨による停電でエアコンなどが停止し、留守番中の犬や猫が熱中症になるケース。他にも留守番中のペットがエアコンのリモコンを誤操作で停止してしまうこともあるという。対策の1つとして有効とするのがスマートホーム。

 ハウスメーカーなど事業者向けにスマートホーム事業を展開する「アクセルラボ」でも、屋内カメラなどで出先から部屋の様子をモニタリングすることができることなどから、ペットの見守り用としても導入を推奨している。スマートフォンで外出先からエアコンを操作することもできるほか、複数の機器を組み合わせてあらかじめ設定された気温になると自動でエアコンのスイッチが入るようにすることも可能という。

 広報担当者は「アフターコロナでリモートワークから出社への回帰が進む中、外出先からもペットを見守りたいというニーズを受けて、ペットの飼育を認めているマンションなどでの導入が増えている」と話した。

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