フジモリ元ペルー大統領、死去 86歳、がん闘病の末に 日系人初の就任 日本大使公邸人質事件解決を指揮

2024年09月13日 04:35

社会

フジモリ元ペルー大統領、死去 86歳、がん闘病の末に 日系人初の就任 日本大使公邸人質事件解決を指揮
90年、ペルーの大統領に就任し、支援者に手を振るフジモリ氏(AP) Photo By AP
 1990年にペルーで日系人として世界で初めて大統領に就任し、96年の日本大使公邸人質事件で武力解決を指揮したアルベルト・フジモリ氏が11日、死去した。86歳。長女のケイコ氏(49)は同日、SNSに「がんとの長い闘病の末、神のもとへ旅立った」と投稿した。
 38年、リマ生まれ。両親は現在の熊本市出身の移民。90年大統領選で当選し、破綻状態だった経済を自由化により再建したほか、左翼ゲリラ最高幹部を逮捕するなど治安改善に努めた。

 再選後の96年12月、別の左翼ゲリラ、トゥパク・アマル革命運動(MRTA)がリマの日本大使公邸を占拠。地下トンネルを掘り軍特殊部隊を突入させる作戦を指揮し、127日目に日本人人質ら71人を救出した。

 3選後の2000年に側近の大がかりな汚職事件が発覚して失脚。日本で事実上の亡命生活を送り、05年、大統領選出馬を目指しチリに入国して拘束され、07年にペルーに送還された。在任中に軍が市民を虐殺したとする人権侵害事件で殺人罪に問われ、10年に禁錮25年の実刑判決が確定。恩赦による釈放や再収監を経て、昨年12月に自由の身となった。次期大統領選への出馬を検討するなど、晩年まで政界復帰への強い意欲を示し続けた。

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