石破首相 閣僚の“ボロ”隠し?予算委回避し9日に野党とサシで党首討論へ 13人初入閣、経験不足懸念か
2024年10月02日 04:40
社会
国民に判断材料を提供するため、一定程度の日数を確保した予算委開催を主張していた姿勢からは一変した首相。会見では「(代表質問が行われる)衆参本会議の他に(議論の)機会が与えられれば、十分とは言えないかもしれないが、国民の心に響くようにやっていきたい」と説明。自ら命名した「納得と共感内閣」からはかけ離れた印象を与えた。
党首討論は首相と野党各党党首が1対1で議論。予算委とは違い、閣僚の出番はない。政府関係者は、石破内閣の初入閣が13人に上ることを踏まえ「予算委開催なら問題答弁が出ないか、不安な点は多い」と指摘。野党からは「閣僚隠し」との批判が上がりそうだ。
討論時間は通例では45分間。衆参両院での予算委集中審議を1日で実施する場合は、おおむね計6時間で、あまりに短い。各党の持ち時間は所属議員数に応じて割り振り。岸田政権下の6月に行われた討論では、立憲民主党26分、日本維新の会12分、共産党4分、国民民主党3分。国民民主党の榛葉賀津也幹事長は「今どきのカップラーメンだって(作るのに)4、5分は当たり前」と改革の必要性を訴えていた。与党は時間延長を検討しているが、政治決戦を前にどこまで配慮するか注目される。
野党との議論の時間を最小化、短期決戦にシフトした首相。総裁選出を受け「石破氏は逃げないタイプ」と評していた立民の野田佳彦代表はこの日、「深く失望した」とし、閣僚出席の予算委を要求。未解明なままの裏金事件に触れ「臭い物にふた解散」と改めて断じた。
◇党首討論 衆参いずれかで10人以上の所属議員がいる野党の党首と首相による1対1での討論。英国下院で毎週水曜日、首相に野党党首が質問する「クエスチョンタイム」を参考に2000年2月に本格的にスタート。時間は45分で、日本は野党が多いことから各党の持ち時間が十分に取れない問題もある。12年11月14日、民主党の野田首相(当時)と自民党の安倍晋三総裁(同)の討論では、首相が「議員定数の削減を確約するなら、16日に衆院を解散します」と突然宣言。安倍氏が「約束ですね?よろしいんですね?」と2度繰り返した場面は大きな話題になった。