保守王国・和歌山で仁義なき戦い激化!世耕氏は安倍元首相の靴履き遊説 二階氏三男には石破首相が応援

2024年10月19日 05:30

社会

保守王国・和歌山で仁義なき戦い激化!世耕氏は安倍元首相の靴履き遊説 二階氏三男には石破首相が応援
和歌山2区から無所属で立候補した世耕弘成氏 Photo By スポニチ
 二階VS世耕。保守王国・和歌山では“仁義なき保守分裂の戦い”が激しさを増している。和歌山は区割り変更で小選挙区が3から2に1減。再編された2区に、自民党の派閥裏金事件に絡み引退宣言した二階俊博元幹事長の三男伸康氏が地盤を引き継いで立候補した。そこに、やはり裏金事件で離党した世耕弘成前参院幹事長が鞍替えし、無所属で出馬と殴り込みをかけた。伸康氏は「党の公認を頂いた」と強調。世耕氏は「26年間国会議員として経験を積み上げてきた」と実績を前面に出している。
 選挙ポスター掲示板には、くしくも2人が隣り合わせで並んでいる。「これまでは衆院は二階さん、参院は世耕さんだったのに」。有権者は困惑。県第2の都市、田辺市の40代喫茶店経営者は「今回はどうすればいいのか。選択肢は2つで、いずれも保守。投票日までじっくり考えないと」と表情を曇らせた。

 首相の座を狙う世耕氏は、俊博氏が引退、自身も無所属になり、ここを好機と勝負に出た。現時点の情勢では世耕氏がリード。ただ伸康氏が比例で復活当選すれば、2区の党支部長は伸康氏の可能性が高い。自民関係者によると世耕氏は「“比例は公明党に”と呼びかけている。伸康氏を追い落とすつもりのようだ」という。

 党も手をこまねいているわけではない。17日、森山裕幹事長が伸康氏の集会で世耕氏に「自民が苦しい選挙をしている時に、政治家としての配慮があっても良かったのではないか」と苦言を呈した。

 世耕氏は、死去後も人気が衰えない安倍晋三元首相との絆をアピールする戦法に出ている。昭恵夫人から形見分けでもらった安倍氏の茶色い靴を履いて選挙運動。「(退陣した)2007年に、もう一回首相になろうと、地元山口を一軒一軒歩いたときの靴。私ももう一回立ち上がる」と聴衆に訴える。

 21日の世耕氏の演説会には昭恵夫人が来場。一方の伸康氏にはあす20日、石破茂首相が入り、応援弁士の“マウント合戦”も激化。いまだ俊博氏は表だった活動はしていないが、地元有権者からは「インフラを整備してくれたのは二階さん」との声も上がる。“紀州のドン”が動けば戦況も動く。仁義なき戦いの決着は、まだ先だ。 (古野 公喜)

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