市川女性監禁事件で逮捕の男 横浜、船橋の強盗致傷事件現場から指紋検出 3件の事件に関わった疑い
2024年10月19日 05:15
社会
今年8月以降、首都圏で頻発する一連の強盗事件は、闇バイトの実行役、高齢者の住む一軒家、窓ガラスを割っての侵入、粘着テープによる拘束など、犯行の手口に共通点が多い。その一つ、指示役と実行役を結ぶ秘匿性の高い通信アプリでは、指示役が30個以上のアカウントを使って実行役に指示を出していたとみられる。
2022年5月以降、東京都狛江市などで起きた広域強盗事件では「ルフィ」のほか「キム」「シュガー」「ミツハシ」などのアカウント名が使われた。
今回の事件ではアニメのキャラクターに寄せたと思われる「JOJO」「Drヒルルク」のほか「織田信長」「徳川家康」「夏目漱石」など歴史上の人物の名前も織り交ぜている。「織田信長」のアカウント名は9月10日に東京都練馬区で起きた逮捕監禁致傷事件のほか、翌11日に栃木県芳賀町で発生した住居侵入未遂事件などでも使用された。1件で9個のアカウントが使用された事件もあり、指示役の特定を防ぐ意図だった可能性もある。捜査関係者によると、さまざまな共通点から関連が疑われる事件は首都圏に北海道、栃木を加えた6都道県で、計17件に上るという。
一連の事件を受け、警視庁と神奈川、埼玉、千葉の3県警は18日、警視庁に合同捜査本部を設置した。警視庁によると、この日午前までに9事件で実行役ら計29人を逮捕。闇バイトを実行役とする犯罪グループの全容解明を急ぐ。
【防犯対策】 一連の事件で狙われたのは、住宅街にある一戸建てが中心だ。被害に遭った住宅はリフォーム業者による「下見」を受けていたなどの共通点が多い。侵入や強盗の対策への関心も高まっており、専門家は注意を呼びかける。
ガスの点検や宅配業者を装っての侵入もある。警視庁の公式サイトなどでは、侵入や強盗への対策を紹介。応答はインターホン越しに行い、いきなりドアを開けずにドアガードをかけて対応する。宅配便は、在宅でもインターホン越しに指示して玄関先に置かせる「置き配」にし、宅配業者が立ち去ってから回収する。
普段から、ゴミ出しなどの短時間の外出でも鍵をかける習慣をつけ、不審な電話に資産や家族状況を話さないことを心がける。
犯人は侵入までに5分以上かかると、7割が犯行を諦めるという。防犯に詳しい「セコムIS研究所」の浜田宏彰研究員は、玄関ドアに複数の鍵を取り付けたり、窓ガラスを破られにくい防犯ガラスに変更したりするなどの対策を推奨している。