「日本維新の会」失墜 吉村知事が街頭演説も閑古鳥 万博不評&知事パワハラ疑惑で逆風

2024年10月22日 04:40

社会

「日本維新の会」失墜 吉村知事が街頭演説も閑古鳥 万博不評&知事パワハラ疑惑で逆風
19日、住吉寛紀氏(左)の応援演説を行った吉村大阪府知事 Photo By スポニチ
 ローカル政党からの脱却を見据える日本維新の会が、地盤となる関西で人気に陰りが見え始めている。情勢調査では、公示前43議席から減らすと見る向きが多い。比例での支持が広がっていないことが要因とみられる。
 共同代表の吉村洋文大阪府知事の影響力も低下。公示後初の週末となった19日、兵庫・姫路駅前で兵庫11区の維新公認候補・住吉寛紀氏の応援演説に立ったが、雨の影響もあり駅前に集まったのは約200人。党関係者は「以前は吉村さん、松井(一郎元日本維新の会代表)さんが来た時には2000人は来た」という。別の関係者は「やっぱり万博の評判が関係しとんちゃうかな?」と苦笑いだ。

 維新は、今回の衆院選で野党第1党、次回で政権奪取という戦略を立ててきた。昨年4月の統一地方選では目標に掲げた「地方議員600人以上」を達成する全国的な躍進を遂げていた。

 しかし、ピークはここだった。その後に状況は一変した。2025年大阪・関西万博の誘致を中心となって推進し実現させたが、建設費用が当初の想定の約2倍となる最大2350億円まで膨らみ、「身を切る改革」を打ち出している党にとっては痛手。さらに追い打ちをかけたのが、兵庫県の斎藤元彦前知事のパワハラ疑惑を巡る告発文書問題。知事選では自民党とともに推薦したが、自民は辞任を求めるなど距離を置いた一方、維新は対応が後手に回った。

 党内に大きな衝撃が走ったのは、8月の大阪府箕面市長選。大阪維新の会公認の現職・上島一彦氏が、無所属新人にダブルスコア近い票数で敗北を喫した。維新公認の現職首長の落選は2010年の結党以来初。それも牙城の大阪でのことだ。

 今回、自民党の裏金事件を受けて非公認で立候補した西村康稔元経済産業相の兵庫9区に、初めて党公認の加古貴一郎候補を擁立した。17日にJR明石駅前で行った演説では、サラリーマンの帰宅時間帯にもかかわらず足を止めた人はまばらだった。党関係者は「公示日に立民の野田佳彦さんが演説したときは、5~6倍の人がびっしりと集まっていた。今回はかなり苦しい」と失速具合を実感していた。このまま衰退に向かうのか、厳しい戦いとなっている。

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