“晩成”白馬 外国人最スロー三役だ!

2010年05月16日 06:00

相撲

“晩成”白馬 外国人最スロー三役だ!
<夏場所7日目>垣添(手前)を引き落としで破る白馬
 大相撲夏場所7日目は15日、両国国技館で行われ、モンゴル出身力士の白馬が垣添を引き落としで下して1敗をキープした。しこ名と同じ村名の長野県白馬村から太田紘熙(ひろき)村長らが応援に駆けつけた中で相撲巧者ぶりを発揮して5連勝。6勝1敗として外国人力士の中で最も遅い出世となる所要63場所での新三役も見えてきた。白鵬と把瑠都が7連勝。1敗は白馬、霜鳳、猛虎浪の3人となった。
 遅咲きの27歳が土俵上で華麗に舞った。モンゴル出身の白馬は立ち合いで微妙に右に動くと、垣添の左腕をたぐりながらクルリと1回転。最後は相手の首を押さえつけて引き落とし、5連勝で1敗をキープした。「体が動いていますね。思ってもいない成績が出て喜んでおります」。入門してから10年がたち日本語も流ちょう。外国人力士史上、最も遅い所要63場所での新三役に向けて視界は良好だ。
 入門時に色白だったことと、モンゴルの馬のイメージを合わせて白馬というしこ名が決まった。当時から身体能力には定評があったが、体重が思うように増えず出世は遅かった。94キロで入門して丸7年を要した十両昇進時には119キロ。「少食なので…」。それでも出世同様、地道にこつこつと1年3キロペースで体重を増やし「徐々に増えてきたね」と今では128キロ。今場所は6日目で鮮やかなとったりを決めるなど、業師ぶりを発揮している。
 「いいところを見せられて良かった」。この日、しこ名と同じ村名の長野県白馬村から太田村長ら総勢28人の白馬後援会が応援に訪れた。2年前、“白馬”という力士がいることが村議会で話題となり、それを機に後援会が発足。昨年秋場所から応援に駆けつけるようになった。太田村長は「白馬村を挙げて応援する。(白馬村出身の)上村愛子さんとともに白馬村の顔になってほしい」と期待。将来的には観光大使就任や化粧まわしを贈ることを計画中で、師匠の陸奥親方(元大関・霧島)は三役に昇進すれば白馬村で部屋の合宿を行うことも検討中だという。
 2ケタ以上の勝利を挙げれば三役が見える。「上がれたら上がりたい。次の目標は三役ですから。三賞も何でもいいから欲しい」。スロー出世ゆえに生まれた強い欲望で後半戦の土俵を盛り上げる。

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