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繰り上がり銅なし…室伏「スッキリしない」

2010年06月12日 06:00

陸上

繰り上がり銅なし…室伏「スッキリしない」
青木半治さんのお別れの会で献花する室伏広治
 スポーツ仲裁裁判所(CAS)の裁定により、繰り上がりでの銅メダルがなくなった08年北京五輪男子ハンマー投げ5位の室伏広治(35=ミズノ)は11日、「陽性反応があったのにどういうことか、スッキリしないものはある」と複雑な心境を吐露した。
 CASは10日、国際オリンピック委員会(IOC)がドーピング違反で失格とした2位のワジム・デビャトフスキーと3位のイワン・チホンのベラルーシ2選手による提訴を認める逆転裁定を下した。検査手続きに不備があったため、違反と断定するには根拠が不十分と判断。2選手は資格を回復することになった。
 室伏は04年アテネ五輪では繰り上がりで金メダル獲得となるなど、ライバルのドーピング違反に再三振り回されてきた。釈然としない思いを抱えながらも「一番のポイントはこれからドーピング検査が厳しくなるということ。僕の競技生活にとっては追い風になる」と前向きな姿勢を見せた。この日は同じ投てき種目の選手だった故青木半治さんのお別れ会に出席。「僕が頑張ることを喜んでくれた。ロンドン五輪の成績でも喜んでもらいたい」と意欲を新たにしていた。

 ≪JOC 質問状も検討≫室伏の繰り上がり銅メダル消滅に、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長は「ドーピング処分が覆るという異例の裁定。場合によってはIOCに質問状を出すこともあるかもしれない」と話した。検査手順の不備について、日本陸連の山沢文裕医事委員長は「(機械で)オートマチックにするところを手で触れた点と、A検体と再確認のB検体の検査官が同じ人物だった点が問題。国際基準からずれていた」と説明した。

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