NBAにトラベリングは存在しないのか?世界とちょっと違う最高峰の二重基準
2016年11月24日 11:00
バスケット
それがトラベリング疑惑。バスケットボールではパスを受けていったん止まった場合、ドリブルに出る前に軸足(ピボットフット)を外してはいけないし、シュートとパスをするなら3歩以上は許されない。それを怠った場合に宣告されるのがトラベリングという規則違反(バイオレーション)だ。
さてヤングの場面に戻る。彼は偶然、味方のパスをカットして左手でボールをコントロールしてシュートを放つのだが、キャッチからシュートするまでなんと4歩もステップしている。最初の2歩を「ボールを保持するまでの不安定な状態」と判断するなら残りの2歩でリリースしているので“合法”だが、本人の意思とは裏腹に左手にスポッとボールが吸い付いたような状態になっているので「不安定」とは言いがたい。見方を変えると「どの審判もまさかそこでヤングがパスをカットするとは思っていなかったのでとっさに起こった事態についていけなかった」とも言えるのだが真実はわからない。
NBAのトラベリング基準は国際基準からすると“大甘”で有名だ。現在ブルズに所属しているドウェイン・ウェイド(34歳)はヒート時代にドリブルすることなしに7回もステップを踏んで話題になった。もちろんその時、審判は笛を吹いていない。「NBAではノーマークや相手のマークが緩いときには審判はトラベリングはコールしない」「選手がリングに正対して果敢に突っ込んでいるときには笛は吹かない」「軸足が多少動いてもプレーの流れに影響がないと判断されればトラベリングにはならない」など様々な説があるのだが、どれもルールブックに明記されている訳ではない。
今季の開幕前、実はNBAのオーナー会議で「今後はトラベリングについてはもっと厳格化していく」という申し合わせがあったはずだが、毎日のように各試合の映像を見ていると、日本の審判なら絶対に笛を吹くような場面が何度も登場してくる。私が出場したシニア・バスケの全国大会ではどの審判もトラベリングについてはかなりシビアに笛を吹いてくるのでいつも注意しているのだが、NBAの審判の前なら歩き放題かも…。この違い、野球の球審のストライクゾーンよりも“幅”があるように思えてならない。
さてバスケットボールの最高峰と称されるリーグに存在するグレーゾーン。「足元」を理解するのは結構難しい。しばらくは杓子定規にならずにゆる~く対応していくしかなさそうだ。(専門委員)
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