「平均ストロークは実力の証明」小林会長が日本ツアーに望むこと
2017年04月02日 10:50
ゴルフ
昨年8月、リオデジャネイロ五輪を視察した小林会長は危機感を抱いた。「出場選手の3分の2が米ツアーの選手。日本ツアーは2人。この状態でどうやったら東京五輪で勝てるのか。米ツアーの方が4日間大会も多し、芝の種類も多い。平均ストロークで勝てなかったら話にならない」。そう痛感したという。
平均ストロークを年間で1つ上げるのは容易ではない。小林会長も「ショットの精度、グリーン周り、パットの技術など全てにおいて相当な努力が必要」と力説する。ただ選手の尻をたたくだけではない。LPGAとして環境整備に力を注ぐ。
「優勝スコアが20アンダーを超えるような大会を増やしたい」とバーディー合戦になるようなコースセッティングの大会を増やしていく方針だ。
確かにコースがやさしくなれば平均ストロークは上がる。ただ、それで本当に選手は強くなるのだろうか。そんな疑念を小林会長は一蹴する。
「やさしいコースを回っても平均で80台の人が必ず70台を出せるわけではない。普段出したことがないスコアになると居心地が悪くなって、それなりのスコアに収まる。自分でブレーキをかけてしまうから。メンタルの問題なんです」。調子が良くてバーディーが続くと平常心を保つことができず最終的にはいつも通りのスコアになる。一般アマチュアにも思い当たる節があるだろう。
「韓国をはじめ海外勢はがんがんバーディーを取りに行く。そこが日本人には欠如している。才能はあるのに。20アンダーを出さないと勝てない大会が日常的にあれば、(日本人は)米ツアーでもがんがんやれる」。バーディー合戦の経験値が高まれば心の中にあるリミッターは外れる。その結果、レベルアップにもつながるわけだ。
バーディーを奪い合う展開ならギャラリーも盛り上がる。それが日本人の強化にも役立つなら大歓迎だ。今季はそんな試合が数多く見られることを期待している。(専門委員)
◆福永 稔彦(ふくなが・としひこ)1965年、宮崎県生まれ。宮崎・日向高時代は野球部。立大卒。Jリーグが発足した92年から04年までサッカーを担当。一般スポーツデスクなどを経て、15年からゴルフ担当。ゴルフ歴は20年以上。1度だけ70台をマークしたことがある。
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