白鵬 歴代単独最多1048勝!14日目にも39度目賜杯

2017年07月22日 05:30

相撲

白鵬 歴代単独最多1048勝!14日目にも39度目賜杯
高安を破り歴代1位の通算1048勝を達成した白鵬はファンの拍手の中、バンザイして引き揚げる Photo By スポニチ
 【大相撲名古屋場所13日目 ( 2017年7月21日    愛知県体育館 )】 最強横綱が前人未到の領域に突入した。白鵬(32=宮城野部屋)は新大関・高安(27=田子ノ浦部屋)を左喉輪で攻め込み、右おっつけで土俵にはわせて1敗を死守。通算1048勝目を挙げ、元大関・魁皇(浅香山親方)を抜いて単独1位に立った。2敗で碧山(31=春日野部屋)が追う展開の中、早ければ14日目にも2場所連続、史上最多を更新する39度目の優勝が決まる。
 興奮冷めやらぬ白鵬は四つんばいになる大関に背を向けながら力強く左拳を握った。単独トップに立つ1048勝目。尊敬する双葉山も大鵬も、技を盗んだ千代の富士も届かなかった未知の領域。花道を引き揚げる時には珍しくガッツポーズが出た。「気持ちいいです。満足しています。最近でいえば去年のケガもありましたから。夢みたい」と余韻に浸った。

 支度部屋に戻ると、サプライズが待っていた。「祝・最多勝利1048勝達成」と刺しゅうした特注のステテコとシャツを着て迎える弟子たち。拍手に笑顔で応えた横綱は「いつの間に用意してたの。格好いい。みんなのおかげだよ。ありがとう」と満足顔。同じ文字が刺しゅうされた畳一枚分の大きいタオルを贈られ感激の面持ちだった。

 目の離せない激しい攻防から大記録が生まれた。高安に対し右に動く予想外の立ち合い。ただ、そこからは攻め一辺倒だった。右おっつけ左喉輪で力強く押す。一度離れてから、肩で息をして中央で見合うと、鋭く踏み込みぶつかった。瞬時に右をおっつけ、ねじ伏せる。濃密な18秒を終え「いい相撲だった。喜びが昨日より倍増した」と大量の汗を拭った。

 2000年12月に入門した痩せっぽちの少年が16年半、積み重ねてたどり着いた金字塔。だが、常に順風だったわけではない。力士の野球賭博問題に揺れた10年には国技の存在意義までが問われた。11年には東日本大震災が発生。一人横綱として土俵の内外で角界を引っ張り、その間優勝10回。勝つことで務めを果たした。15年初場所で大鵬の優勝32回を超えてからはモチベーションの低下に悩み、3月の春場所は休場も余儀なくされた。それでも、相撲の発展を願う気持ちが白鵬を奮い立たせた。

 史上最多に並ぶ1047勝を決めて迎えたこの日の朝稽古。場所前から一緒に稽古をしたわんぱく相撲の小学生から涙ながらに花束を贈られた。感激した横綱は未来の関取を目指す子供たちを思い、言った。「こういう子が大相撲に溶け込んで何十回優勝するか分からない。そういう時、目標を失わないように簡単には破られない横綱・白鵬になりたい。そこからふと思ったのが、幕内1000勝なのかな」

 年齢を重ねた最近は正攻法よりも勝ちに徹する相撲が目立つ。勝ってこそ伝えられることがあるからだ。次の1勝は未来へのエール。そして、あと46勝と迫った幕内1000勝へ。大きな勲章を加えたモンゴルの大横綱が、新たに掲げた目標は子供たちの夢のためでもある。

 ≪早ければ来年にも≫白鵬は通算勝利のほか、幕内勝利など数多くの史上1位記録を更新してきた。近い将来、到達しそうなのは優勝40回と、あと46勝とした幕内1000勝の大台。今場所の39度目の優勝は目前。順調にいけば、幕内1000勝も来年には達成する。20年東京五輪の開会式での土俵入りを夢見ており、白星はまだまだ増えそうだ。

 ≪号外大人気≫スポニチでは白鵬の通算1048勝を伝える号外を1万部発行した。有楽町、新橋、銀座など都内で配布。サラリーマンをはじめ、道行く人の関心は高く、「白鵬は凄い」「どこまで勝つんだろう」などと、口にしながら紙面を手にしていた。

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