アイウェア有力ブランドが目指すeスポーツ支えるインフラ

2017年07月22日 05:30

スポーツ

アイウェア有力ブランドが目指すeスポーツ支えるインフラ
ジンズ・ミーム Photo By 提供写真
 メガネ・アイウェアブランドのJINS(ジンズ)は、同社の新ブランド「JINS MEME(ジンズ・ミーム=以下ミーム)」でeスポーツに参入を狙う。ミームは同社が11年以降、4年越しの研究・開発を重ねて生み出したIoTコンセプトのギアだ。ジンズミームグループの渡辺寛紀氏は「ミームがeスポーツを支えるインフラの一つとなることを目指しています」と中・長期的なビジョンを見据える。
 ミームのメガネはセンシングデバイスとなって装着者の瞬きの回数や視線移動、頭部の動きを計測。計測値はスマホの専用アプリに表示される。各計測値は心身の具体的な活動状態を示して、装着者に有用なフィードバックを与えてくれる。eスポーツはプレーヤーがゲーム画面を凝視するため、ミームの機能が最大限に発揮されるジャンルとなる。

 ミームを装着したプレーヤーは、以下の3つの活動状態を数値としてリアルタイムに把握できる。

▽集中力

▽リラックス状態

▽プレー中の体勢

 例えば格闘ゲームなら、「対戦相手とパンチ、キック、技の応酬で拮抗しているときは集中力の数字が高い」「勝敗がついて勝ち名乗りを受けているときは、リラックスの数字が顕著な反応を示す」「敗者が悔しさのあまりのけぞれば、体勢の数字が揺れ動く」といったプレーヤーの心理状態が、数字で具体的に分かるようになる。このようなプレーヤーの心理状態の可視化、データ化は、eスポーツに2つの変革をもたらす可能性を秘めている。

 (1)プレーヤーのスキルの向上 プレーヤーはプレー中の各シーンを振り返ったとき、自分がどういった心理状態だったのかを客観的に把握できる。課題や弱点をより高い精度で認識することで、トレーニングを通じて一層のスキル向上を図れる。

 (2)観戦者に新しい楽しみ方を提供 観戦者もプレーヤーの心理状態がリアルタイムに数字で分かることで、eスポーツの「ヒト対ヒト」ならではの勝負のアヤを堪能できる。

 eスポーツは競技種目にあたるゲームタイトルが非常に数多く存在する。ミームはそれらのタイトルごとの個別性に「プレーヤーの心理状態」という共通項を提示することで、eスポーツによりスポーツらしい普遍性をもたらすかもしれない。そこにはミームが掲げる「集中はスキルだ」のコンセプトが強く反映されている。

 センシングデバイスの機能を備えるミームも、装着感は普通のメガネとほぼ遜色ないレベルにまで近づいている。重量は普通のメガネが30〜40グラムなのに対し、ミームは36グラム。微弱な眼電位を計測するセンサーは鼻のパッド部分にある。基幹部は耳にかかるツルにあり、全体的な重心は後ろがかりとなっているが、意識しなければ気にならない感覚だ。

 eスポーツの注目度やビジネススケールは欧米、韓国を中心に、海外勢がはるかに先行しているのが実情だ。それでもジンズミームのような試みは、まだ世界で前例がない。日本の市場規模に二の足を踏むことなく、ジンズは世界に打って出ようとしている。「ミームがエンターテインメントとしてのeスポーツとビジネスの間を橋渡しする役割を担えるようにしたいです。トッププレーヤーが最高峰の大会でミームを使用して、彼らの心の機微を観戦する人々に伝えるような世界観を実現させたい。それを、日本発のまったく新しい取り組みとして、世界に発信していけたらなと思っています」(渡辺)

 ミームがeスポーツで活用されるイメージを具現化するため、ジンズは斬新な取り組みもスタートした。(続く)

この記事のフォト

おすすめテーマ

2017年07月22日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム
`; idoc.open(); idoc.write(innerHTML); idoc.close(); });