【高野進の目】サニブラウン大事な局面でスタート修正 さらに上狙った証拠

2017年08月07日 07:30

陸上

【高野進の目】サニブラウン大事な局面でスタート修正 さらに上狙った証拠
男子100メートル準決勝、レースを終えがっくり引き揚げるサニブラウン Photo By スポニチ
 【陸上・世界選手権第2日 男子100メートル準決勝 ( 2017年8月5日    英ロンドン )】 サニブラウンは準決勝で明らかな失敗をしたが、彼のトライを完全否定してはいけない。予選と同じように走っていれば、いい勝負ができていたと思う。それでも大事な局面でスタートの角度を修正したのは、さらに上を狙っていた証。結果的には最初の3、4歩目でつまずいてしまったが、まだ18歳なのだからチャンスはいくらでもある。世界大会でミスをすれば通用しないと痛感したはず。今回の失敗を今後の糧にしてほしい。
 優勝のガトリンについては人それぞれの考えがあるのは承知しているが、個人的には評価したい。確かにかつてドーピングで出場停止となった事実は消えないし、だから今回もブーイングが起きたのだろう。だが、スプリンターとして認めてもらいたい一心で35歳まで陸上に取り組んできたハングリーさを知る人は、きっと彼の優勝を喜んでいる。世の中とはそういうものだ。今大会をラストランと位置づけたボルト、そして自らを認め直してもらうためのラストトライというような気持ちで挑んだガトリン。その差が表れたのだと思う。 (男子400メートル日本記録保持者、92年バルセロナ五輪8位、東海大体育学部教授)

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