稀勢、同じ境遇の中日・松坂復活白星に勇気「気持ちよかった」
2018年05月02日 05:30
相撲
新横綱だった昨年春場所で連覇を果たしたが、その場所で痛めた左大胸筋などの影響で、夏場所からは6場所連続休場。丸一年、故障に苦しんできたが、前日には同様の境遇だった人物から勇気をもらっていた。それが中日・松坂の復活劇だった。
茨城・長山中まで野球少年だった横綱にとって、6歳年上で横浜高のエースだった松坂は今でも「怪物」だ。98年夏の甲子園準々決勝のPL学園戦で、延長17回を1人で投げ抜いた試合は今でも鮮明に覚えている。それだけに、15年の右肩手術を経て勝ち星を挙げた姿に「個人的にうれしかった。気持ち良かった」と同じスポーツ選手として刺激を受けた。お立ち台での「また顔を覚えてもらえるよう頑張る」とのコメントには「あれだけ有名なのに」と感動すら覚えたという。
夏場所の土俵に上がるかどうかは、3日の横綱審議委員会による稽古総見、7、8日の二所ノ関一門連合稽古などの内容を踏まえ、取組編成会議の行われる11日までに決断する。先月29日の綱打ちの際には「そろそろいいところを見せないと」と話した。松坂同様に復活する日が来ることを信じ、稀勢の里なりの相撲道を突き進んでいく。
≪稀勢の負傷経過≫ ☆17年夏場所(6勝5敗4休)春場所で左上腕などを負傷し、春巡業を全休。強行出場も10日目で4敗目を喫し、途中休場。
☆同名古屋場所(2勝4敗9休)5日目に勢に敗れて3敗目を喫した際に左足首を負傷。2場所連続で途中休場。
☆同秋場所(全休)夏巡業に途中合流したが、調整不足は否めず3場所連続4度目の休場。自身初の全休となった。
☆同九州場所(4勝6敗5休)9日目に平幕・宝富士に敗れ5敗目。1場所5金星配給は史上2度目のワースト記録。翌10日目に休場した。
☆18年初場所(1勝5敗9休)5日目までに3日連続で金星を配給。翌6日目に「左大胸筋損傷の疑い、左前胸部打撲で3週間の安静とする」との診断書を提出。
☆同春場所(全休)左胸の完治が遅れて、3月8日に休場を発表。年6場所制となった58年以降、横綱としては7場所連続の貴乃花につぐ、6場所連続となる休場となった。